ここは雑談掲示板。今日も多くの情報が他愛もない言葉と共に行き交う場所。

　そんな場所も、第一次スカイルナパニックを機に変わろうとしていた。

　今まで全ての情報を把握していると思われた情報クランは実は大した事なくて、それでも誠実さで矢面に立っていたのだと知った時の期待は落胆と共に消え落ちていた。

　代わりにプレイヤー達がそれにとって変わる事で新しい情報形体が生まれ出ようとしていた。

　世はまさに大情報時代。

　古い情報を大事に抱え込むことに意味はなく、それは思い出として胸にしまっていろと目先を変えたプレイヤーが現れ始めた。

　それでもプレイヤーの質というのはいつの世も変わらない。

　基本的に情報クレクレなのだ。

　そんな顧客を取り扱っていた情報クランはもうない。

　だからこそ、雑談掲示板は今日も賑わう──

【新大陸】雑談掲示板＃1099【誰か行った？】

0001．空を眺める者達

誰か行った？

0002 ．空を眺める者達

>>0001

少しは自分で情報仕入れろ

0003 ．空を眺める者達

|◉〻◉)空を眺め過ぎて首がもげそう

そんなワイは魚人な訳だが

0004 ．空を眺める者達

>>0003

傾げる首もないだろ、お前ら

0005 ．空を眺める者達

|◎〻◎)酷い！

でも事実だから今日も元気に鰓呼吸してます

【画像添付】鯉が餌を求めてよってくる絵

0006 ．空を眺める者達

>>0005

うぜえ！

0007 ．空を眺める者達

そういやセカンドルナのダンジョンの仕掛けって既出？

0008 ．空を眺める者達

知らん

まだ旨味あったのか、あそこ

0009 ．空を眺める者達

>>0007

ソースは？

0010 ．空を眺める者達

以前銀姫ちゃんの追っかけの一人が自慢してたのを思い出した

脅して情報吐かせたから確実

手に入る称号スキルは『空歩』

0011 ．空を眺める者達

>>0010

通報しました

0012 ．空を眺める者達

なんで！？

0013 ．空を眺める者達

なんでも何も脅したという言葉がどの程度によるが

普通はアウト

0014 ．空を眺める者達

あー……同じファンクラブのよしみで聞き出そうと精一杯もてなしてやったらつけ上がって来たから我慢が聞かずにカッとなってやった感じだ

こっちは対価は払ってるのに、向こうは一切情報出しやがらないんだよ

これって俺が悪いの？

0015 ．空を眺める者達

そこまで聞くと0014はそこまで悪いことしてなさそうに聞こえるが

0016 ．空を眺める者達

>>0014

通報しました！

0017 ．空を眺める者達

これが民意だ

大人しく処されろ

0018 ．空を眺める者達

＊＊＊＊＊＊！

［一定以上の通報を受けたプレイヤーの発言は非公開モードに移行されました］

0019 ．空を眺める者達

運営仕事早すぎ

0020 ．空を眺める者達

今の情報社会で、いつまでも黙って見守ってるわけないだろ

運営だってプレイヤーと害悪プレイヤーの区別はしてるさ

どちら側と判断されるかは普段の行い次第だな

0021 ．空を眺める者達

発言しにくい世の中になっちまったな

0022 ．空を眺める者達

そうか？

逆に新規情報は発言しやすくなったように思う

0023 ．空を眺める者達

ＡＷＯ飛行部のワイ、クジラの背中の街-赤の禁忌-に到着

0024 ．空を眺める者達

出た、飛行部

0025 ．空を眺める者達

また新しい情報か

0026 ．空を眺める者達

あのクジラ、背中に街あるのか

確かにそんなサイズしてるが

0027 ．空を眺める者達

正規の方法以外で行くとヘイト取るぞ？

ちな情報はワイ

あのクジラは大型レイドボスという側面を持つ

街サイズのエネミーが意思を持って攻撃してくるとか怖すぎるんですが！

0028 ．空を眺める者達

そう考えるとレイドが二匹も回遊してる空間てことになるのか

セカンドルナの牧歌的風景は今や過去になりつつあるな

0029 ．空を眺める者達

それ

セカンドルナといえば銀の産出地としてしか有名じゃない

ただただ長閑なファンタジー世界であるとの情報はなんだったのか

0030 ．空を眺める者達

それこそ誰かの情報を信じてただけだろ？

あの人はその一面を剥がして見せただけだよ

ご本人も言ってる

0031 ．空を眺める者達

新進気鋭の探検家アキカゼ・ハヤテか

あの人の登場はいまだに記憶に新しい

0032 ．空を眺める者達

決してすごいプレイヤーというわけじゃないんだよね

普通のおじさんだよ、あの人

0033 ．空を眺める者達

ただ達成した偉業が凄すぎるだけ

本人ののんびり具合とイメージが一致しない一例

本来有名プレイヤーってそれだけでオーラがあるけど、その人にはそれがない

0034 ．空を眺める者達

おいおい話が脱線してるぞ？

0035 ．空を眺める者達

我らが偉大なる探検家を称えて何が悪い？

空の大陸の発見者だぞ？

0036 ．空を眺める者達

そういうのは専用スレでやれ

ここはあくまで雑談枠だから

誰か飛行部の人達以外に新情報ない？

0037 ．空を眺める者達

>>0036

そういう話は自分で情報を振ってからだな……

0038 ．空を眺める者達

ネタはあるぞ

みんなは必死こいてマナの大木に登ってるけど、妖精邂逅者の人数と、ナビゲートフェアリーをうまく使えば気づくはずだ

0039 ．空を眺める者達

詳しく！

0040 ．空を眺める者達

>>0039

ガッツクな！

いくら欲しい？　交渉をしようか

0041 ．空を眺める者達

>>0040

個人メッセージでやり取りしよう

0042 ．空を眺める者達

>>0041

分かった鍵は？

0043 ．空を眺める者達

追って連絡する

では後の者達は良きＡＷＯライフを！

0044 ．空を眺める者達

これも一つの情報の自由化の弊害か

0045 ．空を眺める者達

それでもヒントはくれてるだけ有情

最悪煽るだけ煽ってヒントひとつくれない人いるだろ？

少しはあの人のことを見習って欲しいよ

0046 ．空を眺める者達

ハヤテさんの話はここでは原則禁止にしよう

逆に聞くが、あの人の情報の破壊力は俺たちの平和をぶっ壊したわけだが、そんなのがなんの前予測もなくぶんなぐってくるんだぞ？

こんなところでポンと出されてみろ

それで一人グロッキーになった知人を知っている

0047 ．空を眺める者達

>>0046

俺が悪かった、それ以上はやめてくれ

あの人普段は温厚だけど、扱っている情報群は手に負えないものばっかだもんな

そりゃここに載せらんないわ

0048 ．空を眺める者達

もし仮にファストリアの情報が精錬の騎士でなく、俺たちの身に委ねられてみたら？

それを考えると答えは出てくる

0049 ．空を眺める者達

うえー、それだけは勘弁

イベントは参加するのが楽しいのであって、企画運営は地獄だって聞く

0050 ．空を眺める者達

それは同意

でも情報は欲しい

0051 ．空を眺める者達

そういった粒よりの情報を集めるのが個人にかかってるわけだろ？

0052 ．空を眺める者達

確かに

0053 ．空を眺める者達

確かに

0054 ．空を眺める者達

それじゃあここにいる暇な奴ら集めて検証でも行きますか

これが本来のこのゲームの楽しみなわけだし？

0055 ．空を眺める者達

いいけど場所はどこ？

0056 ．空を眺める者達

どこでもいいだろう

ファストリア、セカンドルナはもう俺たちの知らない場所になりつつある

狙い目はサードウィルあたりか？

0057 ．空を眺める者達

まだセカンドルナについたばかりのワイも参加して平気？

0058 ．空を眺める者達

大丈夫だ、連れてってやるよ

0059 ．空を眺める者達

ワイもワイも

0060 ．空を眺める者達

|◉〻◉)魚人のワイも平気？

0061 ．空を眺める者達

>>0060

肺呼吸覚えてたら連れてってやるよ

流石に鰓呼吸だから陸生活できないなんて言い訳は聞きたくない

0062 ．空を眺める者達

|◎〻◎)できるよー

0063 ．空を眺める者達

いや出来んのかよ！

0064 ．空を眺める者達

|ー〻ー)実はとある人に触発されて覚えたんだ

|◉〻◉)人間が海、深海に至れたのに、魚人が陸上生活できないのは甘えだよね！

0065 ．空を眺める者達

あれ、これ結構大きな情報じゃね？

0066 ．空を眺める者達

残念だが生かせる種族が限られてる

0067 ．空を眺める者達

|◉〻◉)それじゃあセカンドルナに出没するから拾ってって

0068 ．空を眺める者達

お、おう

こんな陸上生活に夢見る魚人は初めて見た

取り敢えず現地集合現地解散な

0069 ．空を眺める者達

異議なーし

0070 ．空を眺める者達

異議なーし

0071 ．空を眺める者達

異議なーし

　その日、一匹の鯛の魚人が陸上生活をする奇行を多くのプレイヤーが目撃するが、その新事実を前に多くのものが口を噤む。

　楽しそうにプレイしている彼女を見たら、どうやってそうできたのか咎めるものは出てこない。

　今ここにいるプレイヤー達はこことは別に現実があり、そこで生活している。

　わざわざ魚人と言う種族を選んだ過程こそ異なるが、プレイヤーの好みは人それぞれだと言うことは皆がよく知っていることだと思う。

　これはとあるVRMMOの物語。

　種族に限界はないことはここに提示された。

　それを見た者たちは、今自分に何ができるかを考えることが優先項目だろう。