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登場人物紹介

●長野 仁 (ながの じん) 18歳

 幼少期に両親とともに日本にやってきて間もなく捨てられた。

 東京の街でゴミ漁りをしながら辛うじて生を繋いでいたところを長野素子に拾われ保護される。

 以来、素子のことを最愛の家族とも、女とも認識しており、全ての行動原理は素子が中心となっている。


 狼の特徴を持つ狼稀人であり、耳と鼻がよく記憶に残っている匂いなら雑多な匂いの中でもかぎ分けることができる。また、匂いから対象人物の感情を視覚的に捉えることができるようになった。


 灰色というよりは銀に近い髪色と耳、尻尾を有しており、キレイに整った顔立ちもあって一見冷たい印象を与えてしまいがちだが、基本的には優しく穏やかな性格をしている。

 人間から冷遇されることに対して思うところはあるものの、素子との生活歴から人間を毛嫌いするほどには憎んだりしておらず、初めましてであってもそれなりにキチンと応対する。



●長野 素子 (ながの もとこ) 31歳

 街を彷徨っていた仁を保護し、身元保証人になった人物。

 義務や責任感と言った感情で保護したものの、素直に明るく成長する仁に絆され、姉としての目を向けるようになる。が、大きく成長した仁のことを異性としても捉えてしまうようになり、女性としての感情と姉としての感情に葛藤している


 スーツを着れば大人の女性、家の中ではズボラ極まるだらしなさを持っているが、キレイと可愛いを両立したような容姿をしており、男性からの評判は良い。

 だが、当の本人は身近にいる仁を見慣れてしまっているため、無自覚に男へ対する理想が高まってしまい、異性への興味は薄め。


 とあるヤマを追っていたが、その途中で黒い翼を持つ男に襲撃され意識不明の重体となり、現在は意識が戻らないまま病院で入院中。


 過去、狐稀人である高尾高美と知り合い、唯一の悪友で共犯者という関係を結んでいる。



●高尾 高美 (たかお こうみ) 28歳

 長野素子の友人であり長野仁にとっての先生。

 仁に対して稀人として生きる術を教え、また素子の身の回りを守る程度にと体術なども教えた。


 髪は長く、小柄であり女性と間違われてしまう容姿をしているがれっきとした男である。

 様々な形でそのことを利用してはいるものの、一番は趣味である人間を誑かすことに活かされている。


 新大久保にあるマレビトムラの管理者である。

 また、黒雨会と呼ばれる稀人で構成されている裏社会組織と協力関係を結んでおり、裏社会では情報屋タカミとして名前が通っている。



●出雲 鳴 (いずも めい) 18歳

 長野仁の初仕事である救出対象者。

 父に議員を持ち、政策である稀人の社会進出を娘として後押ししており、表社会ではそれなりに有名な学生活動家でもある。


 お嬢様然とした清楚な容姿ではあるが、地は高飛車で世間知らずな一面を持っている。

 物事に対して意見を堂々と述べ、その場にいるべき自分という仮面を被ることも得意なため、通っている学園の後輩たちからは憧れのお姉さまとして捉えられている。


 母の死の真相を知るため、非治安区域と呼ばれる犯罪者を閉じ込める施設にいるだろう人物を探すため仁の助手となった。表向きはドッグカフェの店員となっている。




■マレビトムラ

 稀人の避難所とでもいうべきコミュニティ。

 各所に点在しているが、新大久保にあるタカミが管理をしているマレビトムラはそこで生活ができるレベルにまで整備されている。



●猫塚真紀奈 (ねこづか まきな) 16歳

 新大久保にあるマレビトムラで生活している猫稀人。

 特徴的な話し方をしているが、五十音のナ行をにゃと発音するのはわざと。


 性格的には幼い一面が際立つが、外見は肉感的で仁いわく「中年オヤジ受けしそう」な容姿をしている。


 基本的には情に厚く、優しい女の子。

 タカミの部下であり表向きはマレビトムラの食糧管理を担いつつ、タカミの目と耳となり街の情報を集めている。


 長野素子のことも知っており、素子の情報を通じて仁のことも知っていた。

 仁に対しては同情的であるが、コミュニケーションを通して気に入ってもいる。




■黒雨会 (こくうかい)

 すべてが稀人で構成されている裏社会組織。

 稀人を有するという条件の下では最大の組織であり、裏家業はもちろん。表社会の仕事を稀人に斡旋したりもする。



●日比谷 初音 (ひびや はつね) 27歳

 当代黒雨会のボスであり、この世に存在するとは思えないほどの美しさを持つ蜘蛛稀人。


 穏やかで丁寧な雰囲気と話し方をするが、冷酷な一面を持っており、特に黒雨会のメンツを潰されることを嫌う。


 仁のことを気に入っており、タカミが唾をつけていなければ自分のモノにしていたと語っている。



●藤本 五郎 (ふじもと ごろう) 62歳

 日比谷初音の警護役であり、荒事への対処を任されてもいる熊稀人。


 熊稀人であるが、身体つきは枯れ木のようなと評されている。

 しかしながら見かけからは想像もつかないほどの膂力を有しており、また格闘技術も高いレベルで修めている。


 その意気やよし、が口癖ではあるが本当に気に入った相手にのみ使われており、仁のことを高く評価している。



●シズク (しずく) 15歳

 黒雨会に所属している占い師の蛇稀人。

 招集がない時のほとんどを五反田にあるシープヘッドというクラブで過ごしている。


 ダウナー系であまり表情を表に出さず、常に気怠そうな雰囲気を発しているが、ちゃんと意思疎通はできる。


 シープヘッドでは店主からキンと呼ばれているが理由は不明。




■シープヘッド

 五反田にあるクラブ。



●海道 銀 (かいどう ぎん) 37歳

 ベリーショートの坊主に近い金髪で、もりもりマッチョなシープヘッドのオーナー。

 粗雑で乱暴な言葉遣いをするが、筋が通らないことを嫌う一面を持っている質実剛健な人物とも言える。


 店を勝手に家扱いしているシズクのことをキンと呼んでいるが理由は不明。

 蛇稀人であるシズクのことを嫌っているわけではなく、長野仁のことを稀人だからと嫌う素振りも見せない。




■ディアパピーズ

 仁が探偵をするためのアンダーカバーであるドッグカフェ。



●カイル

 出雲鳴の飼い犬。

 鳴のことを飼い主であり守護すべき主人と捉えており、忠誠心が非常に高い。

 出雲鳴捜索に携わってくれた仁へと強く恩を感じており、非常に好意的に捉えている。




■非治安区域

 刑務所などに留めておけないほどの凶悪犯罪者や、稀人の犯罪者が送られ閉じ込められる隔離区域。



■向田組

 近年になってから裏社会へと影響を及ぼし始めた組織。




●出雲 大作 (いずも だいさく)

 出雲鳴の父であり議員。

 稀人の有用性を唱えて政界へと参入したが、彼の名前を高めたのは娘の鳴であり、世間的には出雲鳴の父親という認識しか持たれておらず、鳴を通して自分が見られることを内心では苦々しく思っている。



●黒い翼の男

 素子を襲撃した人物。

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