魔法探偵の弟子 〜合衆国最強の魔法使いは狂騒の20年代を怠惰に生きる〜
上地王植琉
現代ファンタジー都市ファンタジー
2024年09月18日
公開日
9,391文字
連載中
十九世紀の魔導産業革命によって魔導科学が発達し、一般に『魔法技術』が普及して半世紀、泥沼と化した【魔法大戦】はついに連合国の勝利に終わり、アメリカ合衆国は後に『狂騒の20年代』と呼ばれるかつてない繁栄の時代を謳歌している――そんな中、マンハッタンで暮す一人の男がいた。
その名も、ダーティ・H・ポッター。
かつて西部戦線に従軍し、『合衆国最強』と呼ばれた魔法使いである。
現在は魔法探偵なる職業をしているが……大戦の反動からか、ただひたすらにぐうたらしていた。
そんな彼のもとに、名門ダンバース魔法学校を卒業したばかりの獣人の魔法少女、アメリアがやってくる。
ひょんなことから「魔法探偵の弟子」となった少女の日常が今始まる。
魔法使い三原則
――〈魔法使い三原則〉
第一条:属する国家と貨幣経済、他者に対して危害を加えてはならない。これに反する者は〈闇の魔法使い〉として相応の罰を受ける。
第二条:魔法使いは契約に服従しなければならない。ただし、その結果を履行する過程で、第一条に反する場合は、この限りでない。
第三条:前掲第一条および第二条に反するおそれのない限りにおいて、魔法使いは魔法及び魔術式を行使することができる。
ヨハン・ゲオルク・ファウスト博士 『魔導科学の夜明け』より引用