ほんのり後味の悪さが心地よい作品です!
ミステリーとして読みやすく、これからの展開が期待できます!
特殊な人間に焦点が当たり、その根本にある悪魔の因子という設定はわかりやすく、物語をシンプルにしてくれている一方で、この設定に頼りきらない、それぞれの話のキーマンの事情が複雑に織り込まれており、それが物語をより味わい深いものにしています。
キャラクターの皆が互いに潰し合わない(物理的に潰しあっている二人がいますが)塩梅に魅力的なのも素敵な特徴と言えるでしょう。あたりめさんの描く立ち絵付きともなればもう、まさに百人力といえる輝きを放ちます。全員何かしらの背景があり、物語の事件に巻き込まれる中で各々の信念をもって対峙する人間性が素晴らしいです。
描写は容赦ないところは容赦がなく、例えば2話目の黒猫を車で乗り上げてしまったシーンなんかは生生しく、読む人にとっては思わず顔をしかめてしまうほどのものとなっています。しかしその描写力の高さがこの作品の魅力とも言えるでしょう。
あたりめさんのことは十年以上応援していますが、こうしてまたあなたの作品を拝見できること、心より感謝いたします。