前回の心の声があまりにもあまりにもだったので今回は三人称でお届けする。
「男性は傷ついたときに攻めるのが鉄則……」
恋愛完璧完全超保存マニュアルを熟読するミール。
「弱った時に甘い言葉……チョコとかか」
完全に間違いではあるが本人は至って真剣なのである。
「セクシーを演出これは出来てる」
が、次の文章がミールを混乱させた。
『攻めてるだけではダメ! あえて冷たくして彼の気持ちを揺らがして!』
「冷たく?」
ミールは考える。
攻めるの逆が冷たくとはどういう意味なのか。
「……魔法?」
氷魔法を相手にかける=人肌恋しくなる=抱きつく=子供ができる
「そういうことか」
手の平をポンッと叩き自分なりの答えを導き出したミール。
本を閉じ、いそいそと準備を始める。
「よし格好はどうしよう」
バニーガールはやった。レフリーは可愛くない。売り子は地味。ポイポイと衣装を後ろに投げていく。
「今日はこれだ」
ミールが手にしたのは病院のナース服である。
「これを着て冷たくする」
ミールの中の作戦はこうだ。
コールにあった瞬間に氷魔法を使い凍らせる。
そして炎魔法を使って溶かし寒がっているコールは人肌を求める。
そこで両手を広げ抱きしめる。
そうすると二人はめでたく結婚。
「完璧だ」
いそいそとナース服を着始めるミール。
5分後、氷魔法でコールを凍らせたことをセラにこっ酷く叱られるのだが今の彼女脳内はウッキウッキのウッハウッハなのでそんなことは考える余地もないのであった。