俺の隣には机に
「いやぁ、本当に二人共お酒に弱いですよね……」
「雅彦がやたらと酒に強いだけで、俺だってそんなに強い方ではないからな」
俺の手元には二杯目のレモンチューハイがある。
そして、雅彦の手元にはチューハイ、ワイン、ウィスキー、日本酒と様々な種類の酒の空きグラスが並んでいた。
「……それにしてもホントお前は酒に強すぎるだろ。それだけ
俺は既に心臓の音が聞こえるくらいには酔っている自覚があるから、ソフトドリンクに手を付け始めているが、雅彦は乾杯してから一度も手を止めることなくアルコールを身体に注ぎ続けている。
「私の雅彦くんはスゴいんだからぁ〜。ねぇ〜」
ヒカリが雅彦に抱きつきながらふわふわした声で喋っている。カシスオレンジ数杯でこれだ。
こいつが酔うとこんな甘え
子供の頃から付き合いのある
一方で平野先輩は呑むと
「ごめんねェ……。アタシがこんなにお酒弱いのにいつも呑んじゃってハルくんに迷惑かけちゃうし……。いやいや、それだけじゃなくていつも普段から迷惑ばかりかけちゃってるし……。彼女失格だよね……。うわあああん!!」
また泣いてる……。
普段明るく元気なときでも手に余る人だというのに、酔ったときは更に手がつけられなくなる。
『今日はみんなのレポート提出祝いだ!! みんな呑むぞー!!』
などと言って日本酒を呑み始めて、即堕ち二コマ漫画並みに速攻でダウンしている。呑まなければ良いのだとは思うけど、この人は弱いのに人一倍お酒だけは好きだから始末が悪い。
「終電までにはまだ時間はあるけど、少し早めに切り上げたほうが良さそうだな」
「二人を送っていく事を考えると……。そうですね」
流石に雅彦も苦笑いをしていた。
「ここからだと、ヒカリが降りる駅が一番近くて、次が雅彦で、俺と先輩が最後に一緒の駅か?」
「そうですね、僕がヒカリさんを送っていきますね」
「一人で大丈夫か?」
「やだー!! 私は雅彦くんと二人で帰るのー!!」
抱きついたままのヒカリが、頭を雅彦の肩にグリグリと
「えーっと……。大丈夫です……」
「悪いな」
そう言いながら俺は俺で隣の様子を伺うとテーブルに突っ伏したまま静かになった平野先輩がいた。
「寝ないで! 先輩!! 帰りますよ!!」
「うぅ……。寝そうだった……ゴメンねェ……。帰りも迷惑かけちゃうし……。ダメダメな彼女で……うぅ……」
「ほら、帰りますよ、先輩」
「うぅ……」
先輩の手を
「ヒカリさんも僕と一緒に帰りましょ」
「やったぁ、雅彦くんすきぃ〜」
ヒカリが雅彦にくっついたまま立ち上がり、後ろから抱きついてヨタヨタと出口に向かって歩き出した。
「雅彦、会計立て替えられるか?」
「これくらいの金額なら。また後日精算でお願いします」
「あぁ、悪いな」
後ろから抱きつかれている人間がレジで会計をしている姿を尻目に、店の出口へ向かう。
外の新鮮な空気を吸いながら、夜空を見て改めて実感する。
「うん、面倒くせぇ! やっぱり集まって