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#69 Re:cycle 第16話

 私、レイラ=フォードは頭を抱えていた。


「――っというわけで、お主には悪いがステラはワシらで処分しょぶんさせてもらったわい」


 いつものカフェのいつもの席、違うとしたら別の世界に移動したはずなのにヨーコがいるくらいであとは何も変わらない。


 そしてそのヨーコから聞く話はやはり頭が痛くなる話だった……。


 あの時そういう意味で言ったわけではないのに勝手に解釈かいしゃくして……。


 あの子とも百年以上一緒に旅をして、自分の妹のように思っていたし、考えることも以心伝心の仲だと思っていたけど……。


 ステラを失ったのは大きいけどそれ以上にあやまちをおかさずに済んだというのは不幸中の幸いと言っていいのかしら……。


「それにしてもお主の全てを守る力インビンシブルが破られる日が来るとはのう」


「時間を止めてバリアが出せない間に攻撃するなんて、そんなバグ技みたいな方法よく試す気になったわね。しかも予行練習なしで」


「シキはワシに時間停止という能力や全てを守る力インビンシブルを破る方法、そして自分が時を渡ったということまで懇切丁寧こんせつていねいに説明しよった、お主とは敵対てきたいする意思はないというあらわれじゃろうな」


「話を聞いてると、そのシキって子はユキナの陣営なのにユキナはよく許したわね」


「ユキナ自身がどう思っておるかは知らぬが、シキ自体はユキナ個人をしたうが思想まで同調しておるわけではないようじゃ。まぁ、めずらしく下僕げぼくではなく仲間寄りの者が現れたのじゃ、多少の痛手いたでがあっても手元に置きたいのかもしれぬな」


「確かにシキって子が自分の近くにいれば私も迂闊うかつに手が出せないってことになるからね。戦い自体を避けるってことに関しては情報を流したほうが有効かもしれないわね」


 思わずいきが出てしまった。何か特定のことに対してではなく、漠然ばくぜんとした溜め息だ。


「いずれにせよ、元々私はあの世界にはもう戻るつもりはないと思っていたからちょうど良かったわ」


「ちょうど良いとはどういうことじゃ?」


は終わったんでしょ? ユキナも私も手が出せない世界なんだからいる意味なんて無いわ。あとは勝手にでも作っていってくれればいいんだからね」

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