繁華街の裏道に、赤と黒の閃光せんこうと共に雷鳴らいめいのような激しい音が響き渡った。
雷鳴の元に倒れていた青年――加藤春昭は痛みと苦しみで顔が歪ゆがんでいた。
「赤と黒……。私と同じ色……。なるほど、私がこの世界に来たのは偶然ぐうぜんではなく、あなたが私を呼びよせたのかもしれないわね……」
赤と黒のゴシックロリータの服を着た小柄な女性が笑みを浮かばせながら、今にも事切れそうな春昭の顔を覗く。
呼びよせたのは自分ではない、長年付き合っていた幼馴染だと……。
そう思いながら彼は意識を失った。
加藤春昭の青髪の少女に対する『恨・み・の感・情』はこの時から始まった。