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#49 ある美漢 第25話

 僕、安藤雅彦は嫌な予感がしていた。


 文化祭が終わって、気がつけば冬に入りかけようとする十一月。


 この週末も僕らは四人で集まって遊んでいた。


 今日は繁華街にある中古雑貨店に行こうと言う話になったため、近道として裏通りを歩いて行くルートを選択した。


 繁華街自体は人通りが多いけど、一本裏道に入ると人通りはなくなり、遠くから人の声がする程度のしずけさが広がっていた。


 そして、店へ向かう僕らの前には一人の少女が立ちはだかっていた。


 何となくだけど悪寒がした。


 その少女は小柄な体型で、この寒さだと言うのにTシャツと短パン。長いポニーテールをしているから女子に見えるけど、見ようによっては男子小学生にも見える出で立ちだった。

 その髪の毛は黒と呼ぶには青く、青と呼ぶには黒かった。


 道の真ん中に仁王立におうだちするその少女は、僕らが歩いて近づいても微動びどうだにしなかったので、僕らは少女を中心に二手ふたてに分かれて通り過ぎようとした。


 少女が呟く。


「――レイラが言ってた『』『』って話、難しく考えすぎてたんだよなぁ……」


 ――僕の記憶はそこまでしか無かった。


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