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#46 恨み感 第23話

『文化祭の様子はどうだ?』


「心配しなくても大丈夫よ。満喫させてもらっているわ」


 廊下を歩く篠崎は、携帯電話を片手にシキと通話していた。


『文化祭か、懐かしいな……。どこを回ったんだ?』


「安藤くんのクラスは私と同じだから、他には氷川ヒカリの神社と、加藤晴昭の巨大迷路、そして平野愛の美術部よ。それ以外は見ても仕方ないでしょ?」


『そうか、どこが一番興味深かった? やはり神社か?』


「どれも面白かったわ。私達のクラスでは並行世界の歴史を学び、氷川ヒカリのクラスではクソ女が成仏するよう祈って、平野愛の描いた絵画はレイラフォードとしての力の片鱗を垣間見たわ」


『加藤春昭の巨大迷路は?』


「そうね、少し狭かったわ」


『狭かった? 通路は結構広いはずだと思ったが』


「私は必ず半径一メートル以内に盾役を四人程度はつけて歩いているから、その状態で歩くには少し狭かったわ」


『……そういう状態で歩くことは想定していないだろうからな。そもそも、文化祭ではステラ=ヴェローチェは襲ってこないって話していたじゃないか』


「ふふっ、冗談よ……。今日は盾無しで行動してたわ」


 篠崎は電話越しだが、シキの呆れた声に微笑していた。


「最後に彼らに一声かけたら帰ろうと思うわ」


『あぁ、これが最後だろうからな』


「そうね、これであなたの物語も終わりを迎えるのね」


『そうなることを願うよ』

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