私、氷川ヒカリは
夏休みも終わり、二学期に入ったけど変わらず定期的に四人で集まっている。
今日は昼過ぎからファミレスでドリンクバーで
「そういえばもうすぐ文化祭だけど、みんなのクラスって何やるの?」
愛さんが小さいスプーンでパフェのアイスクリームを食べながらみんなに話しかけた。
「俺のクラスは教室を使った
ハルくんのクラスが何か大きいことをやるという
「なにそれ! めっちゃ面白そうじゃーん!」
「二クラス合同だから人員も二倍だし、教室繋げるって言ってもコース的には
「へぇー、考えた人は頭いいと言うか、楽をするためには努力を
そういいながら愛さんは溶けたアイスを下にあるコーンフレークに
「僕のところはよくある展示系ですね。
安藤くんが突然私に話題を振ってきたから少しだけ
「う、うん。なんか段ボールとかで
クラスで何をやるか決めるときに、『神社をやりたい』っていう
あとで知ったけど、ノリノリだったのは大体が女子で、男子は『当日何もしなくても成立する展示だから楽でいい』という
「へぇー、
「あぁ、えっと……。実はクラスの子達から私に巫女をやって欲しいってお願いがあったんですけど、流石に恥ずかしいし、私なんかがやってもどうせ似合わないし、みんなに申し訳ないから美術部の展示の方があるからってお断りしたんです……」
少しは着てみたいって気持ちもあったけど、そこから人前に出るっていうのは恥ずかしくて倒れてしまいそうだから、断ってしまった……。
そもそも本気でお願いされていたのか、それともからかわれていたのかすら私にはわからなかったし……。
「えぇー、ヒカリちゃんなら絶対似合うと思うんだけどなぁ」
「俺らに聞いてばかりですけど、そういう平野先輩のクラスは何やるんですか?」
「え? 何もやらないよ? 三年生は受験が近いから文化祭の
「あぁ……。そういえばそうでしたね、忘れてました……」
ハルくんが恥ずかしそうに手元にあるアイスティーを、手も使わずストローでチューチュー吸って飲んでいる。
昔からハルくんは照れたり恥ずかしがったりするときに、
「まぁでも、アタシの場合は美術部の展示があるからなぁー。まだ完成してないけど良かったら見に来てねぇ」
見て見ぬふりをしていたけど、改めて現実を突きつけられてしまう。文化祭が終わったら愛さんが引退をしてしまうということを……。
もう後ろをついていくのではなく、これからは一人で歩かなくちゃいけない時が目の前に迫ってきている。
がんばらなくちゃ……! がんばれ! 私!