彼の首にはギロチンを切断途中で止めたのではないかというくらい、大きく痛々しい
「あら、あなたも来てしまったの……? 今はちょうど予定通りステラ=ヴェローチェを追い払ったところよ……。十年前に負った
男性は表情を変えず、無言のまま
「お主が声をかけたということは、そっち側の人間か? お主が誰かを連れるなんぞ
政木が男性をジロジロと上から下まで、じっくり
「私の良い遊び相手よ、誰だかわかるかしら……? 政木先生?」
「何が先生じゃ、気持ち悪い。……うーん、しかしスマンが全く心当たりはないのう」
改めて思いだそうとするも、政木は首をかしげる。やはり見覚えがない様子だった。
「あら、知らないみたいですって。よかったわね」
「まぁ、そうだろうな……。せっかくだ、呼び捨ても失礼だし、俺は
「
「俺は『シキ』という名前にしている。ユキナ=ブレメンテがこの世界で
「うむ、詳しい事情はよくわからぬし、わざわざ
「あら、よかったわね……。私と同じ扱いをしてくれるんですって、何かやったらすぐに殺すぞって意味よ……。ところでシキ、あなたもこのまま私達と水族館へ行くのかしら……?」
「いや、俺は
シキは目線を落とし、少し悲しそうな声で答えた。
「まぁ無理もないわ、この辺りはあなたには
少しだけ足を引きずりながら歩くシキを見つめ、篠崎は優しくもあり、同族を