私、
勇気が無くてハルくんと愛さんを呼んでしまったことを、今になって後悔してきている。
想像できたはずなのに、私以外の人たち全員に迷惑をかけてしまった……。
私がしょぼくれていると、安藤くんが明るい声で話しかけてきた。
「さぁ、行きましょ、氷川さん」
「う、うん……」
私の方が一年先輩なんだから、本当なら私の方がしっかりしなきゃいけないのに、安藤くんのほうがよっぽど大人だと思う。私もがんばらなきゃ……!
「安藤くん、ごめんね……。私が
「別に大丈夫ですよ、気にしないでください。僕だって物凄く緊張していたんですけど、頼りにしてる加藤先輩やさっきの平野先輩のおかげで
私たちが水族館の受付に行くと、愛さんが
「高校生四枚くださーい! 私が立て替えるからみんなはお金ちょーだーい!」
愛さんはいつもふざけている事が多いけど、実際はみんなのことを考えて
そんな人だから見た目や振る舞い以上に
だから、愛さんが引退したあとの事を考えると、物凄く不安になってしまう……。
全員が入場券を持つと、愛さんは私と安藤くんを先頭で歩くよう
「今日の主役は二人なんだからね。私と
「えーっと。それじゃあ、行きましょうか、氷川さん」
安藤くんは私に向かって手を伸ばしたけど、今の私にはまだその手を繋ぐ勇気がなかった……。