腰まで届く長い金髪の女性――レイラは、とあるカフェのテラスで紅茶を味わっていた。
彼女も
世界を渡る者となった彼女らは実体のある幽霊のようなものであり、もはや食事や睡眠といった
彼女が紅茶を飲むのも、生きるためではなく、香りと味を楽しむためだけの行為に過ぎない。
「
カフェのテラスに座り本を片手に紅茶を飲むレイラに対して、大人しい
「えぇ、
大人の姿に化けた状態であったが、
「最近はユキナの近くにおるからのう。たまにはお主の顔を
政木はガハハと笑いながら、レイラの向かいの席に勢いよく腰掛け、ウェイターに水を持ってくるよう
「あなたそんな
「どうとでも言うがよい。ユキナはお主がこの並行世界におると
レイラは紅茶の入ったカップを持ち、表面に写る自らの姿を見つめる。
「お主はどう動くつもりじゃ? 今度ワシは小娘を
政木がテーブルに身を乗り出してニヤリと笑いかける。
「うるさいわね、どっちの味方なのよ」
「ワシは中立じゃ。ただ、運命の赤い糸を
「………………」
レイラは飲みかけのカップをソーサーに戻し、
「ほれ、聞いておるのか?」
政木がレイラのソーサーの上にあるスプーンを手に取り、レイラに向かって投げつけた。
その瞬間、レイラの周りに青白い光が現れ、
「人のスプーン何だから触らないでもらえる?」
「それならば『
「勝手に発動しちゃうんだから仕方ないじゃない」
レイラの
敵意を持った攻撃や痛みが伴うような衝撃に対して自動的に能力が発動する。そのため、不意打ちなど効かず、
盾の強度は名前の通り
これは、
「たまにはその能力をワシに貸してくれんかのう、確か他人へ
「なんで貸さなきゃいけないのよ」
「この世界には青髪の小娘だけかもしれぬが、お主には他にも仲間が
「ヨーコが一人なのは、コミュ障で相手と距離をとるのが下手だからでしょ」
「はー、うるさい、うるさい。
レイラがハァと溜め息をつくと、ヨーコの前にクリームがたっぷり盛られたパンケーキが