夏休みも近づくころ、帰りのホームルームが終わり、生徒が各々《おのおの》部活や帰宅を始める中で、
「政木先生、ご相談したいことがあるんですが……」
「げぇっ」
政木が
「うっ……! ぐぅ……。わかったわよ……」
「ご相談、お願いしますね……」
篠崎が
◇ ◇ ◇
「で、なんじゃ。そなたから
政木と篠崎は個別面談や進路相談を行う小さな相談室に移動してきた。
篠崎は机に座り、政木は椅子に座って椅子の足を浮かせて壁にもたれかかっている。
「ちょうどタイミングが良かったから期末テストのあとに
「雅彦にちょっかいを出したのは知っておったが、お主にしては珍しい提案じゃな。どういう風の吹き回しじゃ?」
「なんて事はないわ、一つは中立状態のあなたに現状を見ておいて貰いたいから……。もう一つは、この前学校周辺に対して
頼み事をしている側の篠崎であったが、政木に貸しを作るような頼み事をすることへの強い抵抗感からか、顔が少し引きつっていた。
「私の
「高速クソバカチンパンジーまでいくと流石に長すぎじゃろ……。あの青髪のアレのことじゃろ? ホント、お主も
珍しく篠崎を
「それじゃあ、頼んだわよ……。安藤くん達は確実に
「確実に……? そう言う割には
「私だって未来がわかるわけじゃないもの、当然でしょ……」