期末テストが終わり、各教科の答案用紙が返却されていた。
「次、
答案用紙に書かれた点数で
「中間テストもだけど、どんなズルをしてこんな点数を取ってるの?」
政木が
「私はあなたと違ってカンニングなんてしなくても、
篠崎は無表情のまま小声で返事をして答案用紙を受け取り、引きつった顔の政木に一礼して自席に戻った。
◇ ◇ ◇
「篠崎さんはテストどうだった?」
篠崎の隣の席の安藤が、自席に戻ってきたばかりの篠崎に問いかける。
問いかける安藤自身も暗い顔はしておらず、人に見せる事が出来る程度の点数ではあったようだ。
「二問ほど間違えて九十六点だったわ。その顔だと安藤くんも悪い点数では無かったみたいね……」
「僕は八十二点だったよ。言い方は悪いけど、僕でも上位に入れる高校で本当に良かったと改めて思ったよ。やっぱり良い成績が取れると、勉強に対するモチベーションが上がるね」
安藤は高得点を取ったことに加えて、テスト週間が終わった
「テスト週間も終わって夏休みも近いし、安藤くんはどこか遊びに行ったりするのかしら……?」
「あー……。えっと、そうだ。
安藤は視線を
あまりにもその目的が分かりやす過ぎて、流石の篠崎も内心では笑うのを
「そうね……。これから夏休みになってお祭りも多いから行ってみたいわね……。あとは暑い季節だから屋内の施設も良いわね、例えば水族館とか……」
「うーん、この辺りでお祭りはしばらく無いし、水族館かぁ。良さそうだなぁ」
もしもの話で始まった話題だが、安藤は腕を組みながらうんうんと
「私に行きたい場所を聞くなんて、どこか連れて行ってくれるのかしら……?」
篠崎はからかうように
「あ、いや! 別に篠崎さんとじゃなくて! あぁ! それも違う違う、別に篠崎さんと行きたくないってわけでもなくて!」
安藤をからかったら予想以上の反応をしたのが面白かったのか、篠崎は
「わかっているわよ、大丈夫……。でも、安藤くんのそういうところ嫌いじゃないわ……」