「ところで、安藤くんと氷川って子は見届けたけど、やっぱり何も起きないのね……」
「この世界の赤い糸で結ばれた『
「よかったわね、もしエネルギーが足りてたら、私は氷川って子を殺さなくちゃならなかったわよ……」
「わかっててくっつけておいてよく言うわい」
「でも、最初にこの世界に来てから、改めてここと似た並行世界に行ってみたけど、そこでは氷川ヒカリは
「そもそも男じゃというのに、めしべのレイラフォードとして選ばれておるし、何が起こっておるんじゃこの世界は……。まったく……」
政木はやけ酒でも
「それで……? 本来は存在するはずのない
「授業も終わったし、この時間なら美術室じゃろうな。ほれ、ここから美術室の窓が見えるじゃろ。あやつもアレで美術部の部長じゃ、普段はとぼけておるが根は真面目じゃからな」
政木が自動販売機の奥にある棟の二階を親指で指し示す。
そこには
「……なるほどね。安藤くんというピースが
「うーむ、今でも既に別の道筋があったのじゃが……。何とかもう一人のルーラシードにも近づこうと思ってバレー部の
政木は美術室の方を向きながら、緑茶を飲もうとしたがいつの間にか
「女しか選ばれないはずのレイラフォードに男の氷川ヒカリが選ばれている……。男女一組しか存在しないはずの運命のカップルが二組いる……。とんでもなく異常な世界ね……」
「改めて言われると頭痛がするわい……。しかし、この状態でお主が
「リセットボタンなんて押すわけないじゃない、こんな面白い世界……」