「そんなに私を彼から
篠崎が
「お
政木が篠崎に視線を合わせ少し
「私はあなた達が困っている光景を見るのが楽しくて仕方ないからこの世界にいるだけよ……」
二人揃って廊下を歩きながら話しているが、不思議と誰も二人の話す内容に反応する者はおらず、まるで周りにいる全員が二人の会話内容だけ聞こえないよう
「多分、ヨーコ自身もこの並行世界をすぐに
篠崎が横目で政木に視線を向けると、政木は厳しい顔つきで正面を向いていた。
その表情を見ると、篠崎は小さくため息をついた。
「あぁそれと、今は私の
「なんじゃ、それを早く言わぬか!」
「
「それにしても、なるほど、全部お見通しというわけじゃったか。それならば今回ばかりはお主と対立しようとは思わぬし、ワシも気長に八十年くらい待とうかと思っておる。その間に他の並行世界に行っても良いのじゃが……。まぁ、何が起こるかわからぬし、奴らが卒業したらこの世界を旅行でもしながら時間を
「ホント、ヨーコは旅行が好きね……」
「例え似たような並行世界でも、その世界でしか見れぬものはいくらでもあるからのう。ワシは
「あら、詩人ね……。素敵だこと……」