「はーい、たっだいまーー!」
あれー? 誰も居ないなぁーー。まぁ、いっかぁーー。一面赤い絨毯が敷かれた廊下をゆっくり歩く僕。ぬいぐるみとお菓子がいっぱいの部屋へ僕は帰還したんだよ。渦巻き模様のキャンデーをペロペロしつつ、何もない壁へ手を翳すと、とある部屋への入口が姿を現すよ。
天井のない青が基調の空間に、見上げるほどの円柱型のおっきなおっきな水槽が並んでるよ。どう? 僕の最高傑作の水槽。お魚は泳いでいないんだけどね。肉の塊のようなもの、脳味噌、人ならざる者、水槽には多種多様の塊が浮かんでいるんだけど、僕は部屋の一番奥にある特別な水槽へ、持ち帰った
「
空間から持ち帰った生首と崩れかけの体躯を水槽へ投げ入れると、
「確かこっちの水槽にあったよねぇ~~」
隣の水槽にあった肉の塊を網で掬って、さっきルルーシュの頭を入れた水槽へジャブン! 後は水槽のパネルをポチポチ。さ、これで準備完了だね。
水槽内が妖しいピンク色の光に包まれ、ルルーシュの頭と体躯、肉の塊が
「さ、お目覚めの時間だよ~~。僕の
眩い光に一瞬包まれた水槽。液体を抜いてあげと、水槽に亀裂が入り、硝子のように砕けるよ。もう~~、この水槽一個作るの大変なんだけどなぁ~~。今度また
「……此処は……どこですの?」
「おはよう、僕だよ、オパールだよ、君の名は?」
いつもの瑠璃色の肌、悪魔の角、蠍の尾、産まれたままの
「ワタクシはルルーシュ・プルート。蠍座の加護を与えられし、上級魔族ですわ」
「そう、僕は君へ蠍座の加護を与えた守護者のオパールだよ、よろしくね」
僕が握手をしようと手を出すと、ルルーシュの右腕が一瞬にして溶け落ちる。
「そうでしたわね……あらオパール、これはどうした事かしら?」
「もう~~。ルルーシュ、
ルルーシュが溶けた右腕を再生させる。まぁ、今の身体は魂が受肉したばかりだし、僕の邪素だけが原因じゃないんだけどね。こりゃあ、本人は気づいていないけど、この子が今までの戦闘行為出来るようになるまでは、暫くかかりそうだねぇ~~。
「そういえば、ワタクシ、あなたとエルフの国へ行ったのではなくって? それ以降の記憶が思い出せませんわ……」
「ルルーシュ、細かいコトは気にしないの。僕が飽きたから帰ろって言ったの忘れたの? それにあのままだとトルマリンに魂喰われてたよ?」
(まぁ実際食べられたんだから、此処にあった
「そんな筈がありませんわ? ワタクシが負ける訳ありませんもの?」
「まぁいいじゃん。そろそろ食事の時間だし。ほら、アルシューン産の人肉とパンケーキが待ってるよ?」
そう告げた瞬間、きつく締まっていたルルーシュの口元が緩む。
「あら、もうそんな時間? 今日は疲れましたわ。フォーランに極上肉を提供してもらわないといけませんわね」
「さ、そうと決まったら食事へ行こうよ! 僕もパンケーキ食べたいし!」
という訳で僕とルルーシュはいつもの晩餐へ向かうよ。
ま、今回は収穫もたくさんあったし、しばらくは
あっちの事は他の
黒猫に気づかれると面倒だしね。