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足を狙って尻尾が飛んでくる。ユウリは跳んで回避。間髪入れずに火炎が来る。しかし、羽ばたいてさらに上方へ逃れる。
眉間に当たり、尾長
ユウリはすかさず接近。両手持ちした
鈍い音がした。尾長
刹那、尾長
虚を突かれた。だが強引に
衝撃でユウリは飛ばされる。しかし直撃は逃れたためダメージは小さかった。
尾長
渾身の一撃が入った。尾長
(よし、完勝!)ユウリはぐっと拳を握り込んだ。
(そうだ、あの女の子はどうなった?)ユウリはフィアナの駆けていった方向に目を向けた。
へたり込む女の子の近くにフィアナが立っていた。鋭い視線をすぐ近くにいる
急所への痛打により、
命中の瞬間、わずかに硬直し、
「ありがとう、お姉ちゃん! もうほんと、あたし死ぬかと思ったよ!」
無邪気な様に女の子は言い放った。
フィアナは女の子に近づき、しゃがんで目線を合わせた。
「ごめんね、怖い思いをさせて。でも勇敢なのね。それに年齢の割には強い。きっと素晴らしい
フィアナは柔らかい眼差しで女の子を見つめつつ、ゆっくりと頭を撫でた。女の子は満足げに笑顔を返している。
微笑ましい光景に小さな感動を覚えつつ、ユウリは二人に近づいていった。気づいたフィアナが小さく笑んだ。
「力が完全に戻ったのね。安心したわ」嬉しそうなフィアナに、「ああ」とユウリは短く応じた。