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地上の
閃きを得たユウリは前に跳躍。片手持ちの
二歩分ほどのへこみができた。が、
ユウリの作ったくぼみに
(接地面積が増えたんだ! 土との摩擦で今までと同じようには回転できないだろ!)
確信したユウリは、「フィアナ! 動きを止めてくれ!」大声で指示を出した。
「わかったわ!」端的な返答の直後、フィアナは蝶翼から子ユリシスを分離。長方形を形作り、
すぐに
ユウリは機敏に地を駆け接近。
「
ボンッ! 内側で鈍い音がし、
(威力が、上がってる?)ユウリが不思議に思っていると、大ダメージに制御を失ったのか右翼がにゅるりと表皮から出てきた。
「
右翼はびんっと突っ張って、すぐにくたりと草がしおれたような状態になる。
「もう一押しよユウリ! 一気に畳んでしまいましょう!」
フィアナの自信に満ちた台詞に、「当然!」とユウリは即答した。
視界の端に竜頭が入った。ユウリは即座に飛翔。一回転して勢いを付け、
見事に命中した。強い衝撃を受けた竜頭は、やがてぐったりと力を失った。
(やった!)ユウリはぐっと拳を握る。だが事態は急転直下する。
すると、ヒュン! 鋭い音がして、何かがユウリの眼前に現れた。
キュルル、ゴウッ! 轟音の直後に穴から禍々しい黒光が射出された。しかし何かがそれを遮り、漏らすことなく受け止めた。
光が止んだ。するとユウリを守ったもののすぐ前方に、極大の炎が渦巻き始めた。
「最後の足掻きで、指向性の自爆か。見苦しいな。貴様は一人で墜ちていけ。身の丈に合った地の果ての獄へとな。私の生徒は道連れにはさせないよ」
「何か」は少女だった。びしりと小さな手で
炎は
ユウリはそちらに視線を向けた。暗い森の一帯だったが、一部分だけ木々が消滅している。
「ちくしょう。悔しいなぁ。覚醒した力を存分に振るって強敵を叩きのめしたと思ったのに。結局俺はこうなんですね」
無念さを口にしたユウリに、女はくるりと振り返った。メイサだった。讃えるような慰めるような、複雑な笑顔を見せている。
「そう愚痴を零すな、ユウリ君。勝利の栄光が台無しだ。君たちはよくやったよ。
君の大好きな妹だが、対象から離れた位置での
メイサの口調はいつもの尊大さを湛えていた。