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別の戦士と戦っていた一体の右翼先端に当たった。竜巻は一瞬で鱗を削り、即座に骨肉に達した。一秒も経たずに
地に倒れていく仲間に気がつき、周囲の
「おいおい、相手は十二歳のいたいけな少女だぞ。多少の手心は加えるものだろう。空気を読めない輩には、天誅を食らわすしかないな」
獰猛に笑うメイサに、接近してきた
しかし触れる寸前、足はすうっと消えていった。またしても消滅点が発光し、こんどはゴウッと火炎が生じる。
一瞬で炎は
「何よこれ。当たる直前で、火球から何から全部掻き消されて──。でたらめ過ぎるわよ」
戦慄した様のフィアナがぽつりと言葉を零した。
ユウリはフラットな心境で隣に立つフィアナに応じる。メイサに
「メイサ先生の
「反物質? 聞き慣れない語だな。それはどういうものなんだ?」
目を細めつつ、シャウアが訝しげに問うた。
「俺も何度か尋ねたんだけど、『ユウリには理解できないだろうし、する必要もない』って詳しいことは教えてもらえてないんだ。メイサ先生は天才だよ。戦闘面でも学問的な意味でもな。凡人の俺には想像もできない真理を知ってるんだろう」
諦観を込めてユウリが呟く間にも、
一体が頭から突っ込んだ。メイサの手前で消えた。刹那、そこに掌大の光の球が出現。数瞬ののちに弾けて、眩い光線が飛んでいく。
光は遠くにいた別の一体に向かう。
「ふむ、原初の
朗読のような調子で力説し、メイサはおもむろに歩き始めた。
ユウリは小さなメイサの背中に、あまりにも大きな風格を感じるのだった。