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一体の
押し合いが始まった。数瞬ののち、ユウリは力を抜き横に避けた。意表を突かれた
ユウリは即座に振り返り、前方に跳んだ。前転宙返りで勢いをつけ、左踵を叩き込む。
首に命中した。
すかさずユウリは
(二匹目も撃破完了!)ユウリはぐっと拳を握る。
ユウリは振り返った。フィアナが
フィアナは子ユリシスの壁を展開。炎はぶつかるも、フィアナたちの側には一筋も漏れてこない。
「
縦回転しつつ
「ありがとユウリ!」フィアナは早口で礼を言い、右手に槍を作り投げた。
胴体に当たり、
ユウリはフィアナたちに駆け寄った。二人とも無傷で、ユウリは安心する。
「驚いたぜ。あんためちゃめちゃ戦えるんだな。同年代で、暴れん坊フィアナと同じぐらい強い奴がいるとはな。世界は広いぜ」
やんちゃな笑顔とともに、シャウアはユウリを讃えた。
フィアナは手を腰に当て、むっと苦い表情をシャウアに向ける。
「聞き捨てならない語が出たわね。だ・れ・が、暴れん坊ですって? あなたは時々忘れてるみたいだけど、私も一応年頃の女の子なの。そんな男性的な形容をされるときっちり傷つくのよ。忘れないで」
(大丈夫だよ、フィアナ。その少年は誰よりも君を女の子として見てるから)
抗議じみた返答を耳にしつつ、ユウリはクールに思考を巡らしていた。
「そういえばユウリ。メイサ先生とルカさんは大丈夫かな。ちょっと離れちゃったみたいだけど」
フィアナは不安げに呟いた。シャウアも幼い顔に心配を滲ませている。
「先生たちはほっときゃ良いよ。俺たちは俺たちで先に進もう」ユウリは軽く答えた。
「ユウリ? 何かしらその言い方。仲間でしょ、助けに行くのが当たり前。そんな人だとは思わなかったわ。あなたちょっと薄情じゃあ──」
フィアナの責めるような台詞の途中だった。ドゴォォォン! 爆音が轟いた。ユウリは音源へと顔を向けた。
(この馬鹿げた威力。もしかして、いや十中八九──)
冷静に思考を巡らしていると、「三人とも無事みたいだな。上出来、上出来」不遜で余裕たっぷりな童女の声がした。
ユウリは小さく息を吐き、声の主に注目した。
予想通りメイサだった。後ろにはルカを引き連れており、自信たっぷりな微笑を浮かべている。背中には青白二色の翼があり、清らかな煌めきを見せていた。
「何、今の……。もしかして、メイサ先生が……」フィアナの口から呆然とした風な言葉が漏れた。
「そうか、フィアナは初めてだったな。メイサ先生は燕の
ユウリがあっさりと告げるが、フィアナは固まったままだった。