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五体の
間髪入れずに七体が飛来し、とっさに
(威力が弱い! 反射回数が充分に取れなかった!)
フィアナは歯噛みした。
先頭の一体が間近に迫る。フィアナは飛翔し、空中に逃れた。
フィアナは身体を水平にした。翼を大きくテイクバックし、勢いよく振るう。
暴風が吹き荒れた。
すかさずフィアナは下方へ加速。同時に子ユリシスで槍を二本形成し、両手で一本ずつ握った。
着地と同時に槍を振るった。風で地面に縫い留めた
二体が絶命した。(もう二体ぐらいはここで潰す!)勇ましく決意し、フィアナは槍を引き抜いて近くの
(かはっ!)背中にすさまじい熱感が生じ、フィアナは槍を取り落とした。姿勢の制御ができず、前へと倒れ込んでしまう。
どうにか両手を突いて身体を支えた。すると視界の中心に、赤い液体が入り込んできた。自分の血だった。
(何……が)混乱しつつも背後に顔を向けた。二体の
戦闘開始から十分弱が経過した。フィアナは必死に戦い十体強を倒した。しかし少なからず攻撃を食らっており、残りの敵数を考慮すると戦況は厳しかった。
(だめだ、このままじゃやられる!)危機感を抱きつつ、フィアナは立ち上がった。いまや全方位を囲まれており、逃げ場すら存在しなかった。
だが、がくん。左膝が落ちてバランスを崩した。あまりにも濃い疲労のためだった。
(しまっ──)次の瞬間、
フィアナは恐怖で目を瞑った。火球は倒れたフィアナに容赦なく襲い掛かり──。
突風が吹いた。方向は下から上。あまりもの風圧に火球は軌道を変えて、四ミルトほどの高さで互いにぶつかった。
「寄ってたかって女の子を傷つけて、つくづくお前らって根性が腐ってるよな。──って化け物に文句をぶつけてもどうしようもないか」
怒りと真剣さを滲ませた男の声がした。はっとしてフィアナは顔を上げた。ユウリだった。士官学校の制服を着て、泰然と立っている。
「ユウリ! 助かったわ! でもどうしてここが?」
フィアナは思わず叫んだ。
「妹のルカに神託があったんだ。『
元気づけるような口振りだった。安心しろとでも言いたげな鷹揚な笑みに、フィアナも穏やかに微笑み返す。
「こっから先は俺が相手だ! 十体でも二十体でもかかってこいよ! 瞬殺して、聖都の土の養分にしてやる!」
野性味のある様にユウリは吠えた。ユウリの剣幕にひるんだのか、
「待ってユウリ! 私も戦う! 私はまだやれるよ!」
ユウリをきっと見据えて、フィアナはきっぱりと意思表示した。
「いや、いいよ。休んでろって。そんなぼろぼろの女の子を戦わせたら、
ユウリから毅然とした語調の返答が来た。
「男とか女とか関係ない! 二人のほうが勝率が上がる! 私は、私に良くしてくれる人を一人で戦わせたくないの!」
負けじとフィアナは声を張り、ユウリへの視線をいっそう強くする。
するとユウリは納得したような顔になった。
「わかったよ。それじゃあ背中はお前に預ける。必ず生きて帰るぞ!」
ユウリが爽快に言い放つと、