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上品な彼女は表と裏の顔を上手に使い分ける
魚住真琴
恋愛現代恋愛
2024年09月14日
公開日
53,704文字
完結
地元のお祭りを家族で存分に楽しんだ私たちは、人の波にもまれながら帰路を歩んでいました。家族と楽しく過ごして一日が終わる。そう思っていた私の背に、懐かしい声がかけられました。
その声に振り向いてしまった瞬間。

私の運命は、ドロリとした恋愛の沼に足首をつけて笑う未来だと決まっていたのです。

プロローグ

 私は生まれた時から地元から出たことがありません。

 別に、親と同居しているというわけでもありません。

 結婚したら、すぐに子どもが出来て、すぐに住める場所を見つけて、安定した収入も得ることが出来て、それがただただ地元の中で解決してしまっただけなのです。


 他の親に比べて両親がとても過保護で、少しだけお金持ちで、他の家庭よりひたすらに運が良くて裕福な暮らしを送ることを可能としてしまい、そんな家庭で育ってきたからか私が他と比べて上品に見えるだけであって、私は一般家庭と変わりないはずなのです。


 ただ一つ、変わっているのだとすれば。


 私の表裏が、非常に激しいということくらいでしょうか。


 ……そうなってしまった私の、過去話を聞いてくれますでしょうか



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