「やばい、すげえ気持ちいい……」
「ひぁっ、ぁ、やめ、そこ、やだ……!」
リュシーは恐慌したような声を上げる。
そんなところまで、と思うほど奥深い部分に、ロイの
「い……! あぁっ、や、待って、待っ……!」
胎内であられもない音が響いている気がして、耳を塞ぎたくなる。そこから競り上がる鋭すぎる愉悦の波に、眼窩でちかちかと火花が散った。
「やだっていうわりに、こっちはガチガチだし……中もやめないでって言ってるみたいだけど……?」
言ってねぇよ……!
言いたいのに、口を開けば嬌声しか出てこない。
そんな自分を歯痒く思うのに、身体はもはや先を求めるばかりだった。
「ほら……」
「い、ぁ……っ、あぁっ……」
この期に及んで逃れたいと思っても、後の祭りだ。そんなふうに、戯れのように揺さぶられるだけで、身体は簡単に歓喜を覚える。
熱く充血した粘膜が縋るようにロイへと纏い付き、知らしめるようにゆっくり掻き混ぜられれば、呼応するみたいに内壁がいっそう収縮する。
強制的に開かれたその場所へと、怖いくらいに高ぶったそれが何度も押し入ってくる。やがてぐぽぐぽとでも言うような、形容しがたい音と感触が身体の中から響いてくる。
「ひ――ぁあっ、や、ぁ、だめ、だめ……!!」
「だめ、じゃ、ねぇ、だろ……?」
腰の動きに合わせて、ロイの呼吸が荒くなる。
焦らすみたいに深く浅い抽挿を繰り返されて、その刹那、不意打ちのように最奥を突き上げられると、閉ざされているはずのリュシーの視界が真っ白に弾けた。
「や――あぁあっ……!」
悲鳴じみた嬌声が辺りへと響いて、開かれたままのリュシーの唇がはくはくと開閉する。
深く貫いたままのロイのそれを、うごめく襞が引き絞るように締め付ける。
危うく立っていられないほど下肢がわななき、背筋が小刻みに震えてしまう。口端からこぼれた唾液が、首筋へと伝い落ちていく。
「ぁ……あ……、っ……」
うわごとめいた声が漏れる。頭の芯がびりびりと痺れているようだ。ロイに掴まれたままの腕にもまるで力が入らず、今にも意識が飛んでしまいそうだった。
「は……ほんと、えろいな、お前……」
やはりリュシーが吐精することはなかった。
それでもちゃんと達したらしいのが分かって、ロイは楽しそうに隻眼を眇めた。舌なめずりするみたいに唇を舐めながら、弛緩したリュシーの腕から手を放す。
……やっと終わったのだろうか。
ロイが出した感覚はなかったけれど、それでも満足してくれたなら幸いだ。
リュシーは霞む思考の片隅で、密やかにほっとする。
――けれども、ロイはその細い身体を再び後ろから抱き締めると、今度は一方の手のひらでリュシーの下腹部を押さえつけてきた。そうしながら、またしても腰を密着させてくるのだ。
「ちょ、待……っ俺、い、
「知ってるよ」
「ぃ……っあ、それに、ぁ、なに……苦し……っ」
リュシーの言葉も半ばに、ロイは接合部を擦りつけるようにして、根元の
「あぁ……根元? 俺ももう、
根元?
リュシーには意味がわからない。
「アンリにはなかっただろうけど……
「は……? ぁ、なに、が……っ」
「何って……」
ふ、とロイは息をつき、「これだよ」と誇示するみたいに腰を押し付けてくる。
言われてみれば確かに根元が太い。太いというか……丸い? 何か
「これがあるから、俺は出したらしばらくは抜けない」
「は……?! 何だよ、それ……っ。んなの、聞いてな……っ」
「まぁ、わざわざ言うほどのことでもねぇかなって」
自分からすれば当たり前のことだし。と、ロイは笑うような呼気を漏らした。
いや、それは言えよ……!
リュシーが思うのも当然だ。
そもそも出したらしばらく抜けないって何だよ! 冗談じゃない!
「まぁ、そんな何時間もかかるわけじゃねぇから、大丈夫だよ」
「だから、あんたの大丈夫はっ……」
当てにならない、と続く言葉を、首筋を食まれることで阻まれた。
「いいから、お前ももう一回くらい
いこうぜって……そんな散歩にでもいくみたいに!
いろんな意味で唖然とするリュシーの素肌に、ロイの犬歯が触れる。髪に鼻先を埋めるようにして、生え際に舌を這わされ、何度も
「ぃ……っあ、もう、無理……っ」
「無理じゃねぇ、って……」
ロイの手に指をかけても何の意味もなさない。
構わずロイの手は服の上から胸元をまさぐってくる。その一方で、
「や……っそれ、やだっ……や、あ!」
間に位置する中のしこりが挟まれ、押し潰されるのが分かる。たちまち身体の奥に熱が灯り、透明な雫に濡れたリュシーのそれが、ひくんと震えて反り返る。――出せないのに。
「は、リュシー……っ」
名前を呼ぶ声が、吐息と共に肌を掠める。
リュシーを求める動きが早急になり、肌のぶつかる音がひときわ高くなった。
「あぁっ、ぁ、っ――!!」
一拍後、リュシーが再び上り詰めたのと同時に、身体の奥の奥へと熱い
事実、ロイのそれは大きさや形だけでなく、吐き出したその量も半端なかった。