エピローグ
「それでは気をつけて」
「ああ」
「元気でな」
最初にリリュスと出会ったところで、彼女と別れの挨拶を交わす。
「もしも私たち氏族の力が要るようになることがあれば、いつでもきて頂戴。出来る限りのことをさせてもらうわ」
「ま、なんか戦争でもしない限り、氏族単位で力借りることなんてないと思うけど。そのときはまた頼むわ」
笑いながらエイリーンが答えた。
そして、数年後。その約束は現実のものとなる。 『黒の王』と呼ばれるようになったシャウリィと、その片腕として付き従うエイリーンによって、大陸全土を巻き込む大騒乱が起こった。
旧き神を捨て、新しい神を信奉することによって、彼は数々の因習を打ち破ってゆく事となり、それに『精樹』ルルイドネと彼女の氏族も大きくかかわってゆくこととなる。
でもそれはまだまだ先の話。
今の彼らは、冒険者という名の根無し草稼業に従事する少年たち。
そんな彼らのある一日の過ごし方。