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あたし達は足下に注意しながら琴美が落ちた穴を恐る恐る覗いた。
暗闇の中にライトを当てるとその光景に思わず顔が引きつる。
琴美の体は置いてあった鉄材に貫かれていた。
琴美は目を見開いたままピクリとも動かない。
まるでなにか恐ろしいものでも見たような顔で固まっている。
その姿を見てあたし達は茫然とした。
なにが起こってるのか分からない。
なにをどうすればいいのか分からない。
分かっていることがあるとすれば一つだけだ。
あたし達はまた、親友を失った。