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第26話 憤獅奮迅/焼き尽くせ流星

 光の中が去ると、そこは一面白砂の地。


 起伏のない、荒涼とした砂漠に降り立った流鯉りゅうりは、死神のエデンを不気味に思った。何の音も、気配もない。不自然なまでの殺風景。


 ―――これが……理想郷エデン? こんな何もない、死んだ世界が?


 思い出すのは、いつか父が見せてくれたある動画の風景。砂を敷き詰めた箱庭を通じ、患者の心を読み解いていく箱庭療法を指差して、彼は言った。


“エデンは、持ち主の心を描き出す。エデンズブリンガーが真に望む世界をだ”


“カードのテキストだけでなく、相手の姿やエデン全体に目を向けなさい”


“対戦を通して相手を知り、己を知る。私がエデンズに込めた、ちょっとした郷愁だ”


 だが、死神のエデンには、何ひとつとして存在しない。白い大地と黒い空。そして向き合う自分と敵だけ。掬った砂は微細な角砂糖のような立方体。そこに命や、何かの意思は感じられない。ただ虚しいだけだ。


 流鯉はようやく、あの死神が超常的な存在なのだと理解した。自分の哲学ではおよそ測りようもない、恐ろしい何かだと。


 ―――これが、肌理咲きめざき鍵玻璃きはりの悪夢……。


 首筋を冷やす汗にハンカチをあてがいながら、流鯉は決闘者たちに向き直る。


 無味乾燥な砂漠に埋まる、あまりにも場違いなオブジェクト。ブロックで作り上げられたステージの上に立つ鍵玻璃きはりを。


 殺風景な砂漠にあって、彼女のエデンはあまりに小さい。くすんだ光のステージは、人類滅亡後ポストアポカリプスの遺産のようだ。恐怖と憤怒の板挟みとなって震える彼女自身もまた矮小で、頼りない。だが。


「……負けるつもりはないのでしょう? 肌理咲きめざき鍵玻璃きはり……!」


 自身の恐れを押し込めて呟くと同時、鍵玻璃が動いた。


「私のターン」


 視線を死神から引き剥がし、手札に向ける。


 “ミーティアライダー・デネボラ”、2枚の“なぞり紡ぐ星絵ゾディアック”、“スカイハイ・タッチ”。そして、“救世きゅうせい女傑スターメリー・シャイン”。


 鍵玻璃きはりはメリー・シャインをそっと撫でる。相変わらず時期尚早だ。けれど、これでいいとさえ思う。自分は、切り札とともにあるのだから。


 ―――もし、あなたが私と同じ気持ちなら。


 ―――力を貸して、メリー・シャイン。私と一緒に戦って。


 メリー・シャインは動かず、語りかけてくることも無い。それでも、光に照らされた闇のように恐怖が退いていくのを感じて、鍵玻璃は動いた。


 ―――行こう。


 メリー・シャインから手を離し、別のカードを素早く呼び出す。


「“ミーティアライダー・デネボラ”! さらに誓願成就、“なぞり紡ぐ星絵ゾディアック”! デネボラにパワー+1000して、デッキからカードを手札に。デネボラのスキルで“流星並走”をゲット。ターンエンド!」


「ドロー。“オブリビオンハッカー・ヒューノス”、“ラベノスワーム・ドローン”、“均衡支柱きんこうしちゅうファスマトディア”を召喚。レギオンスキル」


 死神の前に3つの黒い穴が空き、それぞれ百足ムカデ、芋虫、竹節虫ナナフシの形をしたロボットが這い出して来る。


 鍵玻璃きはりは思わず身構えた。芋虫型のロボットには見覚えがある。あのレギオンのスキルは確か。


 記憶を手繰るより早く、三方向に開いた“ラベノスワーム・ドローン”の頭部が赤い光で鍵玻璃を照らす。


 鍵玻璃が目くらましに怯むまいとする一方、死神の前に3枚のカードのヴィジョンが現れる。死神は黙考するような沈黙の末、そのうち1枚に触れた。


「“導かれし未来・デネブ”を自身のデッキの一番下へ。残りの2枚は持ち主のデッキの一番上へ」


 沈黙だけが周囲に圧力をかける中、流鯉りゅうりは死神の挙動を見つめる。


 相手のカードを奪うレギオンで構築されたデッキ。鍵玻璃きはりから聞いた通りだ。そこから、死神の目的を導き出そうと頭をひねる。


 レギオンは生き物の形をしているが、余分な動きを一切しない。何もない時はピタリと止まり、彫像のよう。砂漠にあって虫がモチーフというのも違和感がある。


 ―――ちぐはぐですわね。人物像……というのも変ですが、そういうものが。


 ―――こんな人間味の無いエデンの持ち主が、他者から何を奪おうと?


 ―――自分の空虚を他人で埋めたいが、埋まらない。そんな具合でしょうか?


 ―――いや、そもそもあの死神の正体は? これが夢でないなら、あれは一体。


 考察を続けている間に、死神は大鎌を前へ突き出した。


「続いて、“オブリビオンハッカー・ヒューノス”のレギオンスキル」


 百足型の機械が砂を蹴立てて、鍵玻璃きはりめがけて襲い掛かった。


 一陣の風の如く迫り、身を守ろうとする少女の真横を掠めて鎌首をもたげる。その口元には、1枚のカードが捕らわれていた。


 鍵玻璃の止まりかけた心臓を、メリー・シャインの微笑みがキックする。


 奪われたのは誓願カード、“なぞり紡ぐ星絵ゾディアック”。


「相手の手札をランダムに1枚、自分のデッキの1番上に」


 死神の宣言とともに、百足がカードを噛み砕く。そしてそれは首を引き、鍵玻璃きはりと並び立つライダースーツの少女を見下ろした。


「“オブリビオンハッカー・ヒューノス”で、デネボラを攻撃」


 ぎごごごご、と不気味な音を立て、百足が頭部を展開した。


 上下左右に広がるトゲまみれのあぎとが、デネボラめがけて襲い掛かる。


 ヒューノスのパワーはデネボラより低い。自爆特攻だ。


 このタイミングで? 鍵玻璃きはりは疑問を抱きつつ、反撃を命じる。


「デネボラ!」


 足元から噴水のように突き出した星明かりに乗り、デネボラが百足に突き進む。


 勢いよく閉じる顎を宙返りで回避。星明かりに食らいついた百足は、口内を爆破されて大きく仰け反る。その下あごへ、デネボラが跳び蹴りを叩き込んだ。


 頭部を破壊された百足の体躯が大きく吹っ飛び、死神の傍で仰向けに倒れる。その爆発が白い砂を巻き上げた。


 横殴りの砂嵐をまともに喰らいながらも、死神は不動。むしろ既定路線だとばかりに、カードを放った。


「誓願成就、“リバーサル・バース”。破壊された奮戦レベル1のレギオンの同名カードを3枚生成、デッキの1番下に置く。ターンエンド」


「私のターン!」


 死神に気付かれないように息を吸い、吐く。まったく、心臓に悪い。


 こうなるかもしれないと、リムジンの中でなんとなく思ってはいた。その場合の動きをどうするかまで考えた上で、このデッキを調整したのだ。


 手札をできる限り多く抱えて、メリー・シャインが奪われる確率を低く維持する。


 そしてあの卵が出てくる前に押し切り、決着をつける!


「レリック配置、“メグレズの採掘場”! デネボラで“ラベノスワーム・ドローン”を攻撃! 打ち砕け、スターリィ・フロウ!」


 砂地を突き破って現れた流星の光に飛び乗って、デネボラが虚空を駆ける。


 “ミーティアライダー・デネボラ”:パワー2000


 “ラベノスワーム・ドローン”:パワー1500


 真っ暗な空を斜めに降下し、流星をシュート。光り輝く星は芋虫型のドローンの頭部を粉砕し、全身を爆発させた。


 死神に動きは無し。少なくとも、先の“リバーサル・バース”のような破壊をトリガーとするカードは持ち合わせていないらしい。


 ならば、このまま攻めるのみ。


「誓願成就、“流星並走”! デネボラにパワー+500して、新たなデネボラを場に出す! デネボラのスキルで“流星並走”を手札に加える!」


「これは……まさか!」


 流鯉りゅうりはごくりと唾を飲み込む。


 己との戦いで鍵玻璃きはりが見せた防御の一手。デネボラ2体による半永久的な戦線維持のループコンボだ。


 ―――デネボラループ! それを今度は攻撃に!?


 そんな場合じゃないと思いながらも、胸の高鳴りを抑えきれない。


 数時間前に見せた時以上の力を発揮しているのだとわかる。その事実が悔しさと高揚をどうしようもなく湧き上がらせた。


 やはり、自分と戦った時の彼女は本気とは程遠かったのだ。最初から全力の彼女とやり合っていたら、惨敗していたかもしれない。


 流鯉が強くD・AR・Tダアトを握る間に、鍵玻璃は猛攻を重ねる。


「“メグレズの採掘場”のレリックスキル! レギオンが強化された時、“グリッターモール・メグレズ”を手札に加える。そして“流星並走”! 3体目のデネボラを出し、2体目のデネボラを強化する! 攻撃!」


 2体目のデネボラが天高く飛び上がった。狙うは竹節虫ナナフシ型のロボット、“均衡支柱きんこうしちゅうファスマトディア”。互いにパワーは1500。


 砂地に突き立つ枯れ木のように細いドローンが擬態をやめて足を伸ばした。蹴り飛ばされた流星に向かって8本ある足の先をミサイルのように発射する。


 死神の宣言が、ジェット噴射の音に重なった。


「“均衡支柱きんこうしちゅうファスマトディア”のレギオンスキル。このレギオンが攻撃された時、自身と攻撃を行ったレギオンを、自分のデッキの1番下に置く」


「攻撃に反応して奪うレギオン、そんなものまでいるの……! そこまでして……」


 鍵玻璃きはりがギリ、と奥歯を噛み締める。同時に、ファスマトディアの放ったミサイルが流星に激突して対消滅。


 ラメ入りの爆煙が晴れた先では、ファスマトディアの本体が傘のように開いていた。レーザービームで作ったネットを展開し、デネボラを捕縛して丸ごと消える。


 度重なる略奪が、鍵玻璃の怒りに油を注いだ。その憤激を乗せて、がら空きになった死神の場に3体目のデネボラをけしかける。


「そこまでして、人から奪って……最後には何もかも消して! それになんの意味があるのよ! デネボラでダイレクトアタック!」


 オーバーヘッドキックで撃ち出された閃光が、死神に直撃して爆発する。


 これで死神のハザードカウンターは7。しかし、デネボラループは止まらない。


 3体目のデネボラが“流星並走”で強化され、4体目が現れる。続けて攻撃。


「なんとか言いなさい! あんたが消した人たちはどこに行ったの!? なんでそんなことをするの! どうして……私からも奪おうとするのよ―――っ!」


 二度目のダイレクトアタックが直撃した。沈黙の砂漠が爆発音に揺らぎ始める。


 爆風に晒された砂は枯山水のような波紋模様を描き出し、ざらざらとした風の音が虚しく響き渡っていく。もうもうと立ち込める煙は、白く、そして煌びやかだ。


 その煙を縦に引き裂いて、死神が開幕した舞台の役者のように現れた。


 答えはない。ただただ機械的な動作で、ノイズのかかった声で静かに告げる。


「―――奮戦、レベル2。レベルアップボーナス獲得」


 それを聞いた流鯉りゅうりは、カメラを死神へズームしながら砂漠中を再度見渡す。レベルアップによるエデンと死神自身の変化から、何か読み取れないかと。


 だが、砂漠に変化はない。何かのオブジェクトが現れるでも、黒塗りの空に月が出るでも、死神自身にすら変化はない。それこそがあるべき姿だと言うが如くだ。


 狂っている、と流鯉は思った。父の作ったゲームを超常存在が悪用し、人を消して回っている。大昔のホラー映画じゃあるまいし、そんなことがあってたまるか、と。


 何から生まれた存在だ? まさか、本当にオカルトめいた存在というわけではあるまい。かといって、ただのウィルスプログラムやチートツールでもなかろう。あれは一体なんなのだ。


 鍵玻璃きはりはどう思っているのだろう。デネボラループによる連続攻撃で加熱し、怒りの攻勢を加速させる彼女は。


「“流星並走”! 4体目のデネボラをパワーアップして5体目を場に……攻撃!」


 みたび、流星が死神をめがける。今まで攻撃を喰らうばかりだった死神は、鎌の一閃で星を断つ。


 死神のハザードカウンターはこれで17。しかもまだ、レベルアップボーナスで手に入れたカードを使っていない。


 死神は大鎌を回転させて再度宣言した。相変わらず、砂漠にはなんの変化もない。


「奮戦、レベル3。レベルアップボーナス獲得」


「“流星並走”! 最後のデネボラ―――っ!」


 残ったひと枠を埋めたデネボラが、攻撃を繰り出した。


 流鯉りゅうりはおかしな熱感に浮かされかかった。心臓のあたりが熱くなっているというのに、頭と首筋、背中が冷たい。高揚、危惧、不気味さが、鍵玻璃きはりに注意を促せと叫んでいる。


 だが一方で、それが正しいのかと問う自分もいるのだ。普通なら、敢えて攻撃を喰らい、奮戦レベルを上げていると考える。だがあの死神は普通じゃない。


 もしかしたら、このままあっけなく勝ててしまうのではないか、死神の件はこれにてあっさりと解決するのでは、なんて楽観的な考えも確かにあった。


 流鯉はぐっと喉を鳴らした。どのみち、攻撃せねば勝利はない。


「最後のデネボラでダイレクトアタック! これで終わりよ!」


「“ドミナリング・クロウフィッシュ”のレギオンスキル。手札から場に出し、相手レギオン1体を自分のデッキの1番下へ」


 ドウ、と砂の中から白いハサミが飛び出した。


 それは飛翔したデネボラの足首を捉え、接続されたワイヤーに引っ張られるまま砂中に引き込む。代わりに砂を噴き上げて現れたのは、ザリガニ型のロボットだ。


 “ドミナリング・クロウフィッシュ”。奮戦レベル2、パワー2000。


 鍵玻璃きはりは声にならない声を上げ、踵を鳴らした。


 残されたのは攻撃を終え、スキルも使い終わったデネボラが4体。あとちょっとのところで阻まれた。


 ―――パワー2000の迎撃用レギオン……!


 心の中で猛る怒りが地団太を踏む中、手札を見つめて考える。


 “なぞり紡ぐ星絵ゾディアック”で持ってきたカノープス。“メグレズの採掘場”で手札に加えた“グリッターモール・メグレズ”。それが今、出せるカードだ。


 手札を尽くせばザリガニは倒せるが、トドメはさせない。それに、メリー・シャイン奪取の確率まで上がってしまう。それだけはなんとしても避けなければ。


 ―――焦るな、落ち着け……まだあの卵は出ていない。引ける確率も、低い。


 ―――ここは手札を温存するべきタイミングなのよ。


 今にも飛び掛かろうとする怒りを、鍵玻璃きはりは拳を握りしめて押さえつける。終了を告げる言葉は思ったよりも苦々しかった。


「……ターンエンド!」


 鍵玻璃:ハザードカウンター0

 手札6枚、レギオン4体、レリック1枚


 死神:ハザードカウンター17

 手札3枚、レギオン1体


 優位だ。ふたりの少女から見ても、この局面は圧倒的に鍵玻璃きはりに形勢が傾いている。


 流鯉りゅうりは迂闊とも言える攻撃を咎めたい気分になったが、口をつぐんだ。あと3回、相手のレギオンを倒すだけで勝利できるこの状況。一方で、鍵玻璃や自分が使った防御カードを警戒しないで攻撃した性急さ。


 これがどう転ぶかは、決着が着くその時までわからないのだ。


 だが少なくとも、死神はまったく動じていない。ただ感情がないだけか、それとも計算通りなのかも伺い知れない。それがひどく、流鯉を不安にさせた。


 ―――あなたの感じている不安や恐怖は、きっとこんなものではない。


 ―――何より、わたくしには苦言を呈する資格もない。


 ―――ハンデありきで戦い、負けたわたくしに、何が言えるというのです。


 だから、信じるしかない。そう言い聞かせて鍵玻璃を見つめる。


 鍵玻璃は荒い息を吐きながら、死神と向き合い続ける。


 トドメを刺せなかったことについての自責。次のターンで死神が行う行動への恐れ。ヒステリックに喚こうとする恐怖の感情を、怒りの一声で黙らせた。


 まだだ、まだ。あの卵だって出てきていない。死神の主戦術にして、主力を呼び出すはずのあのカード。


 向こうの手札は3枚、ドローは2枚。うち1枚は奪った“なぞり紡ぐ星絵ゾディアック”。そもそも引ける可能性からしてかなり低い。


 それにデネボラループも再始動は簡単だ。流鯉の時のように攻撃を抑えることも、自爆特攻を繰り返して奮戦レベルを上げることだってできる。アステラ=メモリアなり、“星の夢を抱く姉妹エタニティ・グリッター・ドット”なりを使えばトドメを刺すことも容易。


 行ける。押し切れる。打ち倒し、この悪夢に別れを告げる。


 死神は、窮地にあっても淡々と立つ。その手札には、奮戦レベル3のカードが2枚握られていた。1枚はレベルアップボーナスで得たもの。もう1枚は、初期手札にあったもの。


 それを以って、彼の戦術は完成していた。


 追い風が砂を蹴立てて、死神のローブを揺らす。


 死神は静かにカードをドローする。


 4ターン目にして最終局面。死神はローブの奥で、少し昏い空色の瞳を光らせた。


「失楽園を這いずる餓鬼よ。汝、真なる世界へ贄を捧げよ」


 死神が大鎌を掲げると、空が汚泥のようにドロリと溶けた。


 耳を溶解させるような異音を立てながら垂れ下がる、漆黒の雫がふたつ。徐々に巨大化していくそれに、白い縞模様が走り、黒と複雑に混じりながら蠢き始める。


 やがて切り離されたそれは砂地に落下し、2体の巨大なレギオンと化した。


 鍵玻璃きはり流鯉りゅうりの肌を嫌悪感が撫でまわす。先の機械的なレギオンたちとはまったく違う、滑らかな曲線を描く体躯は生物的な湿っぽさを纏っている。


 片方は、蝸牛カタツムリ型。もう片方は、無数の虫が集合した球型である。


「降臨―――“エデンズクロウラー”」


 死神が、2体に共通する名を呟く。


 砂漠に現れた巨大な虫たちは、緩慢な動きで鍵玻璃を吟味し出した。

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