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 プレイ2日目。


 しかし、いきなりゲームではなくてリアル側の都合で、ちょっと待っている。

 そんなお昼ご飯を食べた後の昼下がり。


 ピンポン。


 来た来た。


『こんにちは、北川きたがわです』


 やってきたのは沙理さりちゃんだった。

 リズちゃんってずっと呼んでたから、なんだか変な感じすらする。


「どうぞ、上がってください」


 緊張する。まさか紗理ちゃんがうちに来るなんて。


 目的は僕とおうちデートで、一緒に寝てらぶらぶでVRゲームをプレイするから、というわけじゃ残念だけどない。


「あ、沙理お姉さん、こんにちは。お待ちしていました」


 うちの義妹、朝比奈あさひな真凛まりん

 中学3年生。ミニマムボディのやんちゃっこだ。

 妹は僕より小さい、へへん、どうだお兄ちゃんだぞ。


 沙理ちゃんは、手に大きな荷物を持ってきていた。


「暑い中、大変だったんじゃない? 大丈夫? 何か飲む?」

「あっ、ワイちゃん大丈夫だよ、送ってきてもらったから」

「なるほど、それならよかった」


 沙理ちゃんちがどの辺りか知らないけど、大丈夫だろう。


 妹は荷物を受け取って、うれしそうに眺めている。


「ありがとうございます、うれしい」


「お役に立てて、なによりです」


 なんか知らないけど、いつの間にか2人とも仲良くなっていたのだ。

 一応、中学の先輩後輩ではあるらしい。

 もちろん僕も同じ中学出身だったけど、沙理ちゃんのことも詳しくは知らないのだ。


 なんだか妹にリードされているみたいで、少し嫉妬しちゃいそう。

 ずるいなあ。ああぁ。

 僕も女の子だったら、何も気にしないで、仲良くしたかもしれないなぁ。


 おっといかんいかん。僕はナイスガイな男の子になる予定なのだ。

 流されるところだった。

 最近、ちょっと女の子扱いされてて、これは気の迷いなのだ。


「お兄ちゃん何してるの?」

「ナンデモナイヨ」

「そう? じゃあお兄ちゃんの部屋へ行こう?」

「お、おう」


 部屋に到着。

 別に何かの収集とか、プラモや本とかの趣味もなく、普通の部屋って感じだろう。


「なんだか、この部屋、落ち着くねえ」

「あ? わかります? お姉さんさすがあ」


 二人はなんだか盛り上がっている。

 そして、箱からさっそくVRマックスを取り出していた。


 これは沙理ちゃんのだった。

 彼女はベータからプレイしているように、もともとVRマックスを持っていて、さらに学校指定の機器を与えられたので、2台持ちになっていたのだ。

 なんて羨ましい。


 そして、その予備機がどういう因果か、妹のところに流れてきた。


「じゃあ、さっそく」


 妹はなぜか自分のベッドではなく、この部屋の僕のベッドに寝っ転がる。

 そして横をあけて、早々にVRギアを被った。


「リンクアップ!」


 説明はすでに知っているらしく、音声定型句の声を上げた。

 こうなるともう、声を掛けても基本的には聞こえない。


 それにしても、なんて無防備な。


 沙理ちゃんがいるから万が一とかないけれど、基本的にリアルの体が手薄になるので、リンクアップは部屋に鍵を掛けてするものなのに。


「それでは、私も」


 沙理ちゃんは2台とも持ってきているみたいで、空いているベッドの半分に寝ると、すぐにVR世界に旅立ってしまった。


 妹のほうの初期設定を手伝いに行くのだろう。

 一応、そういう機能もある。


 まあ、初期設定っていっても、キャリブレーションで体を動かしてみたりして、違和感がないか頭が痛くなって来ないか、とかを軽くチェックするだけなんだけども。


 ごくり。


 僕のベッドで、夏の薄着ミニスカートにシャツで、女の子が2人も寝ている。

 沙理ちゃんのロリ巨乳、妹の慎ましいおっぱいも膨らみは見える。

 それから、むき出しの太ももがまぶしい。


 いくらなんでも無防備すぎる。


「けしからん」


 生身の体、いじり放題では。

 ここでミニスカートをぺろりんとめくったら大変じゃないですかね。


 つつしみがないんだよお。


 もんもんと見ていたら、二人が戻ってきたようだ。

 身じろぎすると、ギア越しにこっちを見た。


「お兄ちゃん、ただいま」

「竜也君、ただいま」


 う、何もしてないのに、なんだか悪いことしたような気分だ。


「二人とも、僕の目の前で、無防備すぎるんだよお」

「え、あ~あ、確かに。お兄ちゃん、待ってる間なにもしなかったの?」

「竜也君、信じてるからね? ふふふ、ちょっと変なことしても許してあげる、正直にいいなさい」


 そんな。


「え、いや、何もしてないよ」

「えーつまんない。スカートめくったりしないの?」

「しないやい」

「あはははは」


 二人してニタリ顔でスカートひらひらさせて、挑発しないの、もう。


「それじゃあ、私の部屋でインするから、沙理お姉さん行きましょう」

「そうね、では向こうで合流ね。ワイちゃん、また後で」

「あ、うん」


 こうして二人が去っていった。


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