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18 ペット


 外に行って、テイムをするのだ。


 あと地名のおさらい。

 初期町、アスタータウン。

 平原、ラングデス平原。

 その先の森、アブライルの森。


 ワールドマップでは、なんとなく色分けされているけれど、個々の場所の名前はまだアスタータウンとラングデス平原しか表示されていない。




「そういえば、ワイちゃん。実はまだ、アスタータウンのワープポイント、設定してないでしょ?」

「え、なにそれ」

「あのね、各町とかセーフティーエリアの一部とかに、ワープできる場所があって、WP、ワープポイントっていうの」

「おけ、ワレ理解、ワープポイント、ジャンプできる」


「そそ。それで、場所は噴水広場だよ」

「あぁ、なんかでっかい水晶のついたオブジェあったね」

「それだよ」


 噴水広場に戻ってきた。


 噴水のちょっと先に、クリスタルの塊が上に付いている石像がある。

 その石像の周りの地面には円形に模様があるけど、これ魔法陣なんだ。


 その円形に入ったら、メッセージが出た。


『ワープポイント:[アスタータウン]を登録しました』


 ほほーん。


「それで、他にはどこに飛べるの?」

「まだ、他の地点は登録してないから、飛べないよ」

「あ、うん。つまりまだ使えない」

「そういうこと。でもね『シルフの息吹』っていうアイテムを使うと、任意のワープポイントに飛べるのよ。だから戻ってくるときとか、楽になるよ」

「おお、それほしい!」


「じゃあ露店ね」


 露店に行った。


 えっと『シルフの息吹』だっけ。

 シルフの息吹、シルフの息吹……。


 なかなかない。


「お、あったあ。『シルフの息吹』、こここ、これください」

「はいよ。ありがとうございます」


 お値段、800G。今の僕たちの経済観ではちょっと高いのかな。

 もちろん、使い捨てアイテムで、毎回消費されるらしい。




 おけ。準備よーし。


 外に向かいます。


 とことこ町を通過して、外に出る。


 町の北側は崖と山が接しているので、主要な出入り口は南側だ。

 草原は南側だけでなく、北の小山ごと丸々囲っている範囲だから、かなり広い。


 そして北から山を東に避けて南に向かって川が流れている。


 平原は、真っ平ではなくて、鉄鉱石とかが取れる小山があちこちにある。

 それから湧き水と小川、池が点在している。


 なんていうか地面がこの形になったのは、比較的最近なのかもしれない。

 地殻変動というか、風化して平になる前の状態というか。




 途中、グリーンスライムをシバいて歩く。

 スライムは強化剤の元になる、魔石が取れるから、有用だ。


「えいやあ、とおりゃあ」


 銅の剣より片手剣になってから振り回しやすくなった。

 そのため、二連撃でスライムを倒している。


「ドロップだ。スライムの核ぅ」


 ドロップを拾うのも忘れない。


 これを、延々と続ける……。


「ちょっと、ドロップ拾うのがめんどい」

「それなら、ペット買っちゃうとか?」

「どういうこと?」

「ペットってなぜか、ドロップアイテム拾ってきてくれるのよ」

「それいい!!」


 さっそく公式ショップを開く。

 一度見たけど、さっと決めるのはなかなか難しい。


 うーん。どうしようかな。


 こ、ここはインスピレーションでシュパッと決めよう。


「ハリネズミにしよう!」


 ハリネズミ君を購入。

 アイテムとして『ペット:ハリネズミ』というものが追加されているので、使う。


「ぷぅぷぅ」


 鳴いた! 可愛い!!


「では、ドロップ回収お願いします」

「ぷぅぷぅ」


 了解なのか頭を上下させつつ鳴く。


 ちょっと右に左に寄り道をして、敵を倒して歩く。


 敵を倒すと、すかさずハリネズミちゃんが拾いに行ってくれる。賢い!

 しゃべったりは、しないみたいだね。

 小さい、可愛い!


 ドロップを拾う時間を待たなくて済むぶん、回転率が上がった気がする。


「よし、ここで合成をしよう」


 スライムの核を合成して、初級強化剤を作成する。

 前回同様、核10個で1つ分だ。

 それを『鉄の片手剣Lv5』に投入する。


 合計で6回できた。


「ちゃらら~ん。鉄の片手剣Lv5+6です」


 レベルも1つ上がって9になった。


 試しに敵を攻撃してみる。


 ついにグリーンスライムを1撃で倒せるようになったぞ。




『魅力値:59』

『総戦闘力:211→235』


 どうじゃ、どうじゃ。また強くなりましたぁああああ。


「僕は強くなりました」

「おおぉ、着々と姫騎士街道をひた走ってるじゃん、やったねぇ」

「えへへ、強いのです」


 僕は上機嫌で、敵をやっつけて歩く。

 一撃になったので、反撃もまずされない。


 敵が2匹以上固まっていると、ごくまれに攻撃されるけど、それ以外はしゅぱぱぱぱって簡単にやっつけられる。


 なにこれ、たーのしー。


 僕は、強いんだもん。


 どうやら教会から1時間が経過。

 バフ効果が消滅した。


 グリーンスライムを攻撃。あっ、HPがわずかに残っている。

 う、一撃だと思っていたのに、バフ効果コミの攻撃力だったようだ。


 ぐぬぬ。


「スライムの核はまた集まってるよね」


 ドロップを半分にした僕の分の核は40個以上ある。


 また合成を実行、そして鉄の片手剣Lv5の強化を実行だ。


 ばしゅーん、ばばばばん。


「できた、ついに『鉄の片手剣Lv5+10』になったよおお」

「おおおお」


 リズちゃんもわざと驚いたようなリアクションをしてくれる。


 再びグリーンスライムを試し斬りしてみる。


 ばしゅっ。


 できた! 一撃で倒した!


 すかさずドロップしたスライムの核を、ハリネズミちゃんが拾ってくれる。

 リズちゃんもいるから、敵をどんどんやっつけられる。


 素晴らしい連携だ。


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