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15 青スライム


 城門から離れて平原を移動する。


 まずは近場のグリーンスライムからだ。


「えいやぁ」


 スライムに新調した片手剣で一撃を加える。

 ダメージは8割ぐらい。スライムはスタン状態になって動かない。


 すかさず第二撃を入れて倒した。


「えへぇ、前よりはダメージ出てる! やった!」

「そうね、よかったわ」

「うんっ」

「次は私の番ね」


 次のグリーンスライムはリズちゃんが魔法で攻撃。

 もちろん一撃だ。

 前よりも威力が上がっているみたいで、表示されているダメージも多い。


「すごい、すごい、強くなったね」

「うん、やったわ」


 まばらにポップしているグリーンスライムを倒しながら進んでいく。


 しばらく進むと、今度はブルースライムの領域だった。


「こっちのスライムは青いね」

「うん」


 ブルースライムLv8、数は3匹。


「この子たちはリンクするから、一斉に襲ってくるわ」

「わかった」


 どうやら青スライムは集団行動をするらしい。


「ていやぁ」

「ファイア!」


 僕が1匹に攻撃を加える間に、リズちゃんが詠唱、2匹目を瞬殺する。

 1匹目は目を回している。


 3匹目が僕にアタックしてくる。


「ふにゅ」


 剣で受けたけど1割減。ちょっとだけダメージを食らった。

 3匹目に反撃して、スタンさせる。


「ファイア!」


 その間にリズちゃんが1匹目に再び魔法、退治に成功。


「ごめんね、えいやぁ」


 3匹目に追加ダメージ、やっつけた。


「2対3だけど、なんとか勝てるね」

「うん」


 地面には『スライムの核』が落ちているので拾う。


 緑スライムは淡々とただサクサク倒していく感じだったんだけど、青スライム君は、リズちゃんとちゃんと連携する必要があるみたいだった。


 しばらく青スライムと戦闘を続ける。


 ドロップはスライムの核、沢山。

 青スライムの耳飾り。


 今回はそれほど数を狩らなかったのもあってレアは少ない。


「青スライムの耳飾りはリズちゃんね」

「わかった。ありがとう」

「うんん。これ僕の耳飾りと色違いなんだね、可愛い」

「うん」


 耳飾りを付けたリズちゃんはちょっと魅力が上がったかな。




 そして採掘とかの時には避けて歩いていたんだけど、ラージラットがいる。

 スライムより賢くてちょっと強そう。


 白いふわふわの毛に覆われた、大きいねずみさんだ。

 見た感じはカピバラに似てる。

 カピバラは賢そうには見えない、間抜け顔だけど、この子たちはちょっと精悍な顔つきなのだ。


「えいやああ」


 ラージラットに攻撃。ダメージは2、3割ぐらい。


「えい、ファイア!」


 リズちゃんの追撃。今までの相手はファイアで一撃だったのに、この子はまだ生きている。


「僕も追撃、おりゃあ」


 ばしゅっと剣が走る。

 ラージラットは消えて『ラージラットの肉』のドロップが落ちた。


「やった! おお、お肉!」

「うん」

「あのお肉だよ。おいしいね」

「そうだね、もう食いしん坊さん」



 再びラージラットだ。

 しかし攻撃した直後、反撃を食らってダメージ。

 結構、防御力は強化したつもりだったのに、2割も食らってしまった。

 ラージラットは、なかなか攻撃力、HPともに高いみたい。


 スライムよりも手ごたえが硬い。


「ぐぬぬ。これは戦い甲斐があるね」

「そうね、がんばろ」

「うんっ」


 ラージラットはのろそうなのに、たまに素早く回避したり攻撃してくる。

 手の指の爪は凶暴そう。


 顔は可愛いんだけどなぁ。


 きゅっきゅっ。


 ラットが鳴いて威嚇してくる。

 いわゆるアクティブモンスターではないけど、一度攻撃すると反撃はしっかりしてくる。

 これで集団だったらやられてしまいそう。


 ここらへんでは1匹ずつポップしているから、まだ戦える。


 一戦一戦、確実に戦闘を重ねる。


 ドロップは以下の通り。


 ラージラットの肉、20個ちょっと。

 ラージラットの毛皮、6枚。

 鋭い爪、ちょっと。

 ラージラットのカード、やった。


 カードは集められるなら集めたい。そのうち役に立つと思う。

 毛皮は白いふわふわの毛がついている。


 お肉って思ったより簡単に集められるんだね。

 ハムとかにもするみたいで、なるほど安く流通してると思った。


 レベルも上がって5から8になった。


 レベルが上がると最大HP、最大MP、攻撃力、防御力なんかが上がる。

 全体的に強くなる気がする。


「毛皮があるけど」

「うん。毛皮のまま使ってもいいし、革に加工もできるよ」

「なるほどぉ」


 どれどれ。


「えっと『合成』!」


 合成画面が出る。


 毛皮の合成で『ラージラットの毛皮マント』『なめし革』という表示が出ている。

 合成というか加工というかそういうのが一緒になってるみたい。


 フィールド上でも生産画面が呼び出せるのは、楽でよかった。

 町まで戻らないといけないとか、面倒だものね。


「マント!」

「そういうのもあるね」

「うん、マントにする!」


 マントを選択。合成。


「ちゃちゃーん。できたあ」


 ラージラットの毛皮マント。防御3。


 さっそくマントを装備してみる。


『魅力値:55→59』

『総戦闘力:195→211』


 どうだレベルアップとマントで、また少し強くなったぞ。えへへん。


 でもこの前の人はラージラットは一撃だったね。もっともっと頑張ろう。


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