オスワサマのことばかり考えていたら、あっという間に放課後になっていた。昨日の疲労もあり、寝ていたのも一因かもしれない。
「信、ほら行くよ。二手に分かれて探そっか」
桃華から差し伸べられた手を取り、立ち上がる。
「俺は駅の方見てくる、望みは薄いけど」
「じゃあ、私は公園を中心に見て回るね!」
役割分担が決まり、一時間後に桃華の家の前で集合することになった。
しかし、当たり前なのだが人目につくような場所に蛇神はいない。駅前なんて尚更だ。こんな田舎でも観光客が来るくらい、世界の人々は旅好きらしい。全く理解が出来ない。自分の見知った土地でしか安心できない俺の方が珍しいのかもしれないが。
結局、成果が得られなかったので早く切り上げて桃華の家に向かう。今回は流石に俺の方が早かった。しばらくぼーっとしていると、桃華が走ってくるのが見えた。
「早かったね」
息を切らしながら彼女は言う。
「やっぱり、駅の方には収穫が無かったからな。そっちはどうだった?」
「私も駄目。白い蛇なんて居ないよ……」
もう、諦めるしかないのか? 居なくなっても、今のところ何か起きている訳ではないのだし。
「また明日、探そっか」
「そうだな……」
今日は解散となった。