私の旅は、まだ始まったばかりだ。私と繋がりがある仲間を呼び集め、藤原家の作り上げたこの日本を転覆させるのが今の目標だ。新しい身体はまだ馴染んでいないが、いずれは慣れるだろう。
目的達成のためには、仲間を集めないといけない。幸いなことに一度死んでいる私は、人間の三大欲求がない。寝ずに移動できるのは、時間の節約になってとても良い。必死で大昔の仲間を思い出そうとするが、すぐには思い出せなかった。けれど、しばらくすると脳裏にある蛇神の存在が頭をよぎった。彼ならきっと、私に力を貸してくれる。そう確信し、私は歩みを蛇神の封印されている方向へ向けた。
蛇神。またの名をオスワサマ。私が現役だった頃から、蛇神はその名前で呼ばれていた。白い肌に赤い目は、神聖であると共に禍々しいとされ、当時の人々によって封印されてしまったのだ。オスワサマは神であり、呪い。
封印されているはずの場所まで来てみたけれど、移動させられた様でこの場に気配を感じとれなかった。これは先が長くなりそうだ。