目次
ブックマーク
応援する
2
コメント
シェア
通報
3

 血みどろの教室。そこで磔にされている人物は

「うち……?」

 変なところで目が覚めた。何故うちが磔にされていたのか、それは一切わからないし所詮は夢なので放っておくことにした。

朝食を食べ、学校に向かっていると珍しい人から声をかけられた。

「華やんか、元気?」

「大和……うん、うちは元気やけど。どうかしたん」

 藤原大和。千秋の従兄妹にあたる存在だ。うちとも幼馴染で、交流はある方である。

「千秋から聞いたんやけど、行ったらしいな。イズモサマのとこ」

「それがどないしたん」

 大和は途端に神妙な顔つきになり

「実はな……千秋のお母さんから聞いたんやけど、学校に行きたくないって暴れとるらしいんや。千秋が」

 普段の冷静な彼女からは想像が出来ず、思考が停止する。

「え、それってどういう?」

 訊いてみると、

「殺されるだとか、外に出たくないだとか……手がつけられへんみたいや。急にどないしたんやろな」

 と返された。まさか深夜のイズモサマのせい? とも思ったけど、まさかすぎる思考は置いておくことにした。千秋も疲れているから休みたいのだろう。きっとそうだ。

「まあ、千秋も反抗期かもしれへんし。とりま学校行こ!」

 そうでもしないと、不安を拭いきれなかった。



コメント(0)
この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?