血みどろの教室。そこで磔にされている人物は
「うち……?」
変なところで目が覚めた。何故うちが磔にされていたのか、それは一切わからないし所詮は夢なので放っておくことにした。
朝食を食べ、学校に向かっていると珍しい人から声をかけられた。
「華やんか、元気?」
「大和……うん、うちは元気やけど。どうかしたん」
藤原大和。千秋の従兄妹にあたる存在だ。うちとも幼馴染で、交流はある方である。
「千秋から聞いたんやけど、行ったらしいな。イズモサマのとこ」
「それがどないしたん」
大和は途端に神妙な顔つきになり
「実はな……千秋のお母さんから聞いたんやけど、学校に行きたくないって暴れとるらしいんや。千秋が」
普段の冷静な彼女からは想像が出来ず、思考が停止する。
「え、それってどういう?」
訊いてみると、
「殺されるだとか、外に出たくないだとか……手がつけられへんみたいや。急にどないしたんやろな」
と返された。まさか深夜のイズモサマのせい? とも思ったけど、まさかすぎる思考は置いておくことにした。千秋も疲れているから休みたいのだろう。きっとそうだ。
「まあ、千秋も反抗期かもしれへんし。とりま学校行こ!」
そうでもしないと、不安を拭いきれなかった。