――2035年10月第3週――
シーズン10.1から始まった合戦新シーズンは早くも3カ月が経とうとしていた。イングランド・スコットランド・北イタリア(法王庁)・ポルトガル同盟連合vsフランス・神聖ローマ帝国同盟連合の戦いがアキテーヌ地方で
「さって、こちらは神聖ローマ帝国のプレイヤーを含めて約600名ね」
真紅の双眸に、紅いセミロングの髪を風にたなびかせた女性が隣に並ぶ男にそう告げる。
「ああ、そして、イングランド同盟連合は、ざっと900名だな……」
髑髏をモチーフにした兜を被った男が自分の相棒である女性にそう返す。
「ふふっ。イングランド陣営の連中って、最近は、あたしのことを【深紅の魔法剣士】とか【
「あいつは俺がイングランド陣営に所属している時から、アレだったからなあ……。あいつの相棒のゴーマ・フィッシュバーンもそろそろ愛想が尽きそうだって、この前、俺にディスコで愚痴ってきてたわ……」
男が自分の横に並ぶ女性の格好を見て、はあああとひとつ嘆息をする。
「しっかし、せっかく、俺が贈った【オレルアオンのウエディングドレス・金箱】を黒と赤に染色しやがって……。
「良いのよ、これで。所詮、合戦狂いはノブオンでは異端児なのよ。なら、あたしがその体現者として、【オルレアンのウエディングドレス・金箱】をそれ用に仕立て直しただけよっ」
「はいはい、わかりましたよ。贈ったモノを自由にして良いのは所有者の権利だもんな!」
「ふふっ。そういうこと。さって、今夜も、あたしの『修羅属性』が火を噴くわよ!」
「ったく、『修羅属性』を手に入れた途端、
「う、うるさいわね! いちいち、
「すいません、俺が全面的に悪うございました」
「わかれば良いのよ、わかれば。さって、今夜こそ、敵本陣に辿りつくわよっ!」
「コード入力『/
――汝、愛する者を守るために、『天使の御業』を使うことを約束するか?
「当然ね。あたしがこの剣を振るうのは、そのためしかないのよっ!」
――汝、愛する者を幸せにするために『天使の御業』を使うことを約束するか?
「あたしは、とっくの昔に幸せだったのよっ。
――汝、愛する者と共に戦場を駆けたまえ。
「よっし、許可が下りたわっ! コマンド『/天使の御業:修羅属性』!!」
それと同時に、彼女が持つ
「おいおい! 開幕からもしかして敵本陣に突撃するってわけじゃないよな!?」
「その通りよ! 何を素っ頓狂な声を上げてるのかしら? そんなのじゃ、デンカ・ラ・ヴィクトリアの名が泣くわよ!」
彼女が
「マツリ・ラ・ヴィクトリアの名の下に、フランス同盟連合に勝利をっ! 皆、行くわよ!」
白い軍馬に跨るマツリが左手に持つ
その振り上げた彼女の左手の薬指には
『
彼女に続くフランス同盟連合に所属するプレイヤーたちはそう叫びながら、戦力差1.5倍のイングランド陣営に斬り込んでいくのであった……。