───白き塔・中心部
ルナさんを
ユノの背後には
簡単に言うと、魔力切れを起こさないということ。
でも、私だって妹を傷つけたくない。急所を外して攻撃はするけど、ユノは次々と攻撃を仕掛けてくる。
どうすれば、ユノを傷つけずに攻撃を止めさせれるのか。
すると、突然ユノの攻撃が治まり、下を俯きながら、ユノは私にこう問いかけてきた。
「姉様……。姉様はどうして私を」
「ユノ?」
「何故、私を見捨てたりしたの!? 何故、愛してくれなかったのよ!! 父様が亡くなった後、母様は姉様のことしか見なくなった! 私は、あの家から存在を消されたのと同じ!! ミステリウム魔法学園に入学したあの日、ルーカス様と出会った! あの方は、私を必要だとおっしゃってくれた! 例え、利用されていようとも、私に価値を与えてくださった!! ルーカス様のおかげで、私は今を生きているの!! だから、ルーカス様の邪魔をしないで!! 私の存在意義を否定しないでよッ!!
「
再び、ユノは攻撃をしてきた。
防御魔法を展開するが、ユノは攻撃を止めない。
一か八しかないと考えた私は、最終手段を使うことにした。
「マリアンヌさん! レオン! 今から何があっても、手出ししないでください! これは私たち
「おい、まさかっ!! やめろ、エレノア!!」
レオンは、今から私のすることを悟ったのか、私の名前を叫ぶ。
マリアンヌさんは、そんなレオンの腕に抱き着き、彼を止めた。
私はお2人に振り向き、感謝の言葉を送った。
「ありがとうございました。
私はユノの前に立ち、刀を構えた。
「
「
風と霧がぶつかり合う中、私はユノに駆け寄り、刀でユノの杖を斬った。
すると、私が来るのを待っていたかのように、ローブの懐からナイフを取り出し、私の腹部に刺し、腹部に激痛が走った。
「アハハハハハ!! 姉様の負けよ! 私、勝ったのね!!」
「ユノ……」
「これで、私のこと認めてくれた? ずっと、この日を待っていたの。姉様が私を見てくれて、認めてくれる。この日まで!!」
ユノの目には、涙が今にでも溢れそうになっていた。
私は、ユノの首に腕をまわし抱き寄せた。
「え……?」
私の行動に戸惑うユノ。
私はユノのことを妹として、想っていたことを明かした。
「ユノ。私は、ユノのこと見ていたわよ。ユノと離れ離れになったあの日以来、貴方の元に向かおうとしても、母様が必死になって止めてきたの。近づいたらいけないって。だから、私は遠くからだけど、ユノのこと見ていたわ。学園に入ってからもユノのこと見守っていた」
「ねえ、さま? ほんとうに?」
「本当よ。私の大切な妹ですからね。好きよ。ユノ」
ユノは涙を溢し、その涙の雫は、私の頬にぽつりと落ちた。
そんな愛おしいユノの頭を、ゆっくり優しく撫でた。
「ごめんなさい。ごめんなさい! 姉様! 私も、姉様のこと大好き! だから、置いて逝かないでよ!!」
「ふふっ……。ユノの傍にいつまでもいるわ。だから、ユノ。生きてね」
私はユノにそう告げ、眠りについた。
【
───私の可愛いユノ。ずっと見守っているからね。