───セフラン王国・中心部
ルーカス部長が
そして、私たちは【白き塔】に向かうことに。
【白き塔】は初代
その屋上に、
「アリエスさん……」
【白き塔】に向かう途中、国民が魔物に襲われているところを助けるためにアリエスさんは、私たちと別行動となり、国民を守るために魔物を討伐している。
不安に駆られながらも、私は足を止めずに走った。
すると、
「マリアンヌー!!」
ワイバーンと交戦していたマリアンヌは私に気づき、手を振ってきた。
「ルナちゃーん!!」
「不思議ちゃんじゃねぇか! ルーカスの野郎やりやがったな。んで、あれが
レオン先輩は
「はい。あれが
「嘘でしょ!?」
レオナは信じられなさそうに驚いていると、彼の背後からゴブリンの軍勢が襲い掛かってきた。
「
ゴブリンの軍勢に、砂の槍を放ったセド。
セドの姿を確認したレオナは、誰よりも嬉しそうな声色で、彼の名前を呼んだ。
「セドちゃん!! 無事だったのね! 良かったわ~! それで、マーティン教授とルーカス先輩はどうしたのよ?」
レオナは2人の姿を探すように、辺りを見渡した。
「さっきも言ったけど、今生死をさまよっているルーカス部長を、ルイさんがアリアさんの元に連れて行ったの。あの人の治癒魔法なら、目を覚ますかもしれない!」
「そうだったのね!」
レオナは安堵の笑みを浮かべた。
すると、イヴァンさんが私の背後に迫る魔物に、魔法を放った。
「
「ありがとうございます!」
「こんくらい大丈夫だぜ! それでよ、お前さんたちは、どこに向かっている感じなんだ?」
「【白き塔】です!」
イヴァンさんの問いに答えると、顔を
「あそこか……。神聖魔法を唱えないと、扉は開かねぇようになってんだよなぁ―」
「それなら僕がいるから大丈夫だ!」
アランさんが自分自身に指を指し答えると、イヴァンさんとヨナさんは目を見開き、互いの顔を見合わせた後、アランさんの顔を2度見した。
「あ、貴方様は」
「アランと言うよ! 初めましてだね
「「はぁぁぁぁぁぁぁ!?」」
ヨナさんとイヴァンさんの声が重なった。
そうか、強化週間の時に、顔合わせをしただけで、言葉を交わしていなかったから実質、初対面なわけか。
「じゃ、じゃあさ! 【破滅の魔術師】ってアラン様……」
「そうだよ! 【破滅の魔術師】で初代
「あわわわわ……マジかよ。本物だぜこりゃ。そんじゃ、アラン様にルナ嬢を任せてもいいんだな?」
嬢呼び!? と思わず驚く私。
「いいとも!」
アランさんはイヴァンさんに頷くと、またもや魔物に魔法を放った。
「
「私も残ります! イヴァンを残してはおきません!」
「なら、ここは
新たにレオン先輩とレオナにマリアンヌが加わり、再び【白き塔】へ向かうことになった。
*
真っ白い塔へと辿り着いた私たちは、小さな魔法陣のある扉をアランさんが見つめ、手をかざした。
「解錠せよ。
すると、アランさんの手元が光り輝くと魔法陣が消え、扉がゆっくりと開き始めた。
「開いた!!」
「流石ね!」
「神聖魔法を使える魔術師って、すごいねぇ~!」
私とレオナとマリアンヌの3人は、アランさんに期待と尊敬の眼差しを向けると、照れ臭そうに笑うアランさん。
「いや~それほどでもないよ」
「行くぞ」
「不思議ちゃん。置いて行くぞぉ―」
そんなアランさんを完全無視ししながら、レオン先輩とセドはためらいもなく、塔の中へ入って行った。
「クソガキ」
「うるせえ」
アランさんはセドにボソッと呟くと、セドは眉間にしわを寄せなが睨み返した。
この2人って、似た者同士なのかしらと思うくらい、波長が合うときがある。
性格も反対だし、いい加減仲良くしてほいいところだ。
「透明なガラスの階段と、棺桶が5つしかない!」
「そりゃそうだ。初代様が眠っているからな。しかし、どこもかしこも白い割には、染み1つないとな……。色々、落ち着かないねぇ~」
レオン先輩はそう言って、頭をガシガシと荒っぽく掻いた。
「この階段を上がればいいんだよね?」
「そうみたいだけど、簡単にはいかないよね」
アランさんは後ろをちらっと顔を向けると、ゴブリンや
そして、追い打ちをかけるように前からも、魔物たちが現れ、私たちはついに囲まれてしまった。
「ッチ! 囲まれたか!!」
「ここはアタシたちに任せて、ルナちゃんとセドちゃんたちは走って!」
「それなら俺も残る! レオナを置いてはいけないからな」
セドとレオナは背中を合わせ魔法を放ち、階段にいる魔物を吹き飛ばした。
「僕もお二2人さんの加勢に回ろうかな。学生だけに、無理はさせてられないからね」
「セド! レオナ! フィリスさん!」
「行け、ルナっ!」
「ルナちゃん! お願いね!!」
「頼むよ!」
3人を置いていくことに躊躇ったが、アランさんに腕を掴まれ、階段を駆け登った。
「ルナ、ここはあの3人に任せよう。大丈夫、きっとまた会える」
私は目を閉じ、アランさんの言葉に頷いた。
───こうして、私とアランさんにマリアンヌとレオン先輩の4人で、階段を駆け登り、セドとレオナとフィリスさんと別れたのであった。