───次の日
ついに、第2試験に合格した私と、セドは第3試験の決勝戦を迎えた。
試験会場に結界が張られ、私とセドは杖を構えた。
互いが望み、互いの夢や願いを叶うために命を懸ける。
だから、この試合に勝たなければならない。
アランさんの呪いを解く方法を見つけ出して、自由に生きてもらう。勿論、自分も自由になるためにも。
「では、これより決勝戦を行います。では、始めッ!!」
試合が始まると、会場から歓声が飛び交った。
決勝は、実際に見れる仕組みになっているため、全生徒らがこの会場に集まっているのだ。
「セド、負けないよ!!」
「俺もだルナ。絶対に勝って、
砂の槍が、会場に降り注いだ。
「
「やるねセド!」
「フッ。初対面の頃よりかは、強くなったからな」
「そうみたいねっ!
霜で出来た壁で、セドを囲んだ。
脱出しようと砂の槍で壊そうとするが、霜の水滴により、槍が溶けていった。
追い打ちをかけるように私は、
「
「そうよ! エレノア先輩とセドの試合を見て思いついたのよ! 全てを囲むのではなくて、相手だけを囲み、環境を変える!」
「ッチ!
星の形をした砂が、
次にセドは、防御魔法である
例え、
念に念を…ってね!
「これも無理か……。なら!!
だけど、これでは終わらないのが私だ!
「壊してくれてありがとう!
「なっ!?」
セドの背後に雪化して回り込み、杖だけ器用に凍らせることに成功した。
「くそっ……。俺の負けだ」
「強くなったねセド!」
勝敗が決まった瞬間、会場からは黄色い歓声が飛び交い、ルイさんの合図により、結界が解かれた。
「それまで!! 勝者、ルナ・マーティン!!」
歓声と拍手が大きくなる中、セドと握手を交わしていると、ブライアン校長と黒色のロングコートを身に纏った男性4人と女性2人が、こちらに向かって歩いてきた。
「ルナ・マーティン。おめでとう。ウィザード・セクト候補者に選ばれた君に紹介しよう。この子らが、ウィザード・セクトの守護者・
そう、ブライアン校長は
──アリエス・ローラン【
「初めまして、僕はアリエス・ローラン。以後お見知りおきを」
──イヴァン・ゲイル【
「俺様はイヴァン・ゲイル! よろしくな!!」
──ヨナ・ゾーラ【
「イヴァン! 声が大きいです! あっ、私はヨナと申します!」
──アリア・グレイナ【
「初めましてですわね。
──アーサー・セイラ【
「……」
──フィリス・ライアン【
「アーサー。何か、言ったらどうかな? ごめんね、僕はフィリス。無口なのがアーサー。よろしくねルナ君」
個性豊かなメンバーやな~。
俺様系もいるとは、やはり異世界は違うな! と思っていた私は、半分緊張しながら、6人に挨拶を交わした。
「は、初めまして! ルナ・マーティンと申します!」
6人にお辞儀をすると、アリエスさんが首を左右に振った。
「顔を上げて? 君のことは、ブライアン校長から聞いているよ。そして、改めてまして。第2試験・第3試験突破おめでとう」
「あ、ありがとうございます!」
「明日、最終試験を受けてもらうよ。試験内容は明日のお楽しみ。無事合格すれば、君をウィザード・セクトに加入。そして、
アリエスさんは目を細め、私に綺麗なお辞儀をし、
この場に残ったのは、セドとルイさんとブライアン校長に、試合を見守っていた生徒たちだけとなった。
「明日、楽しみにしている。頑張り給え!」
「ブライアン校長……はい!!」
───こうして、私はセドに勝利し、ウィザード・セクト及び、
*
一方、その頃。
魔の手がすぐそこまで来ていた。
そのことをルナたちは、知る余地も無かったのであった。
───待っていてくださいね