───ウィザード・セクト候補試験・2日目
第1試験を突破した私は、第2試験を迎えることとなった。
私たちの中で、セドと私は合格。
マリアンヌは不合格となってしまい、全員バラバラとなってしまったが、マリアンヌとレオナの2人は、私たちを応援してくれた。
「試験、頑張ってね~」
「ルナちゃん! セドちゃん! ファイトよぉ~!!」
心優しい友人と出会えて、良かったと改めて思った。
彼らの応援がなければ、緊張が解れずにいたからね。
「ありがとう!」
「行ってくる」
私とセドは2人にそう言って、共に昨日と同じ、試験会場へと歩き始めた。
*
───ウィザード・セクト候補試験会場
昨日と同じ試験会場に、辿り着いた私とセド。
その場にいたのは私たちを含めた、ルーカス部長にユノ先輩。
レオン先輩にネオ先輩。
エレノア先輩とアノールのたった8名しかいなかった。
他は不合格で、控室にてこの様子を見ていると思うと、ますます気が気でない。
不安な気持ちを抑え込んでいると、目の前にルイさんが現れた。
「ただいまより、ウィザード・セクト候補試験【第2試験】を行います。今回の試験は、個人戦となります。なお、【第2試験】【第3試験】の内容はトーナメント式で、明日の【第3試験】で勝利した生徒が、ウィザード・セクトの候補者として選ばれます。選ばれた1名は【最終試験】に臨んでもらいます」
トーナメント方式か……。
うん、1発で負けそう!
「こちらのトーナメント表をご確認して、試験に挑んでください」
ルイさんの後ろにスクリーンが現れ、トーナメント表が映し出された。
───第1回戦【ルナ・マーティンVSアノール・マーティン】
───第2回戦【ネオ・フィーネVSルーカス・グレイナ】
───第3回戦【ユノ・カトレアVSエレノア・カトレア】
───第4回戦【セド・レナードVSレオン・ケイン】
第1回戦は…。私とアノールかい!!
初っ端から酷いな!! これ大丈夫なん? 私、勝ち目ある?
「第1回戦は、ルナ・マーティンさんとアノール・マーティン君となります。10分後に開始しますので、2人は準備してください」
ルイさんはそう言うと、転移魔法で風の様に去ってしまった。
一旦、私は控室に戻った。
*
───1年控室
「マーリーアーンーヌー!! 私、死ぬかもしれないよぉ!!」
控室に戻った私は、タックルするみたいに抱き着いた。
その光景を見ていたセドは、ため息をつき、レオナは私の背中を擦った。
「ルナちゃん自信もって! ルナちゃんなら、大丈夫!」
「そうよ~!。これまで、頑張ってきたじゃない! セドちゃんにも、1度勝っているしね!」
「まぁな。ルナ…。お前が勝たないと、第3試験で戦えなくなるだろう? 俺も勝つから、お前も勝て。先に待っていてくれ」
セドは真剣な眼差しを、私に向けた。
すると突然、アノールが控室に姿を現し、私の元に歩み寄り、左手を差し出してきた。
「ルナ。俺はお前を、実の妹として見ている。だが、今回は正真正銘の勝負だ。容赦しない」
「アノール……」
「先輩な?」
そこは、相変わらずなんだ。
「分かったよ! 私も全身全霊で戦うよ!」
アノールの左手を握ると、右手で眼鏡の位置を直した。
「2人とも、時間よ!」
レオナが時計に指を指すと、私とアノールは顔を見合わせた。
「そうみたいだね」
「行こう、ルナ」
私たちは、再び試験会場へと足を運んだ。
───ウィザード・セクトに入り、