目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報
36話 第2試験開始

───ウィザード・セクト候補試験・2日目


 第1試験を突破した私は、第2試験を迎えることとなった。


 私たちの中で、セドと私は合格。


 マリアンヌは不合格となってしまい、全員バラバラとなってしまったが、マリアンヌとレオナの2人は、私たちを応援してくれた。


「試験、頑張ってね~」


「ルナちゃん! セドちゃん! ファイトよぉ~!!」


 心優しい友人と出会えて、良かったと改めて思った。


 彼らの応援がなければ、緊張が解れずにいたからね。


「ありがとう!」


「行ってくる」


 私とセドは2人にそう言って、共に昨日と同じ、試験会場へと歩き始めた。



───ウィザード・セクト候補試験会場


 昨日と同じ試験会場に、辿り着いた私とセド。


 その場にいたのは私たちを含めた、ルーカス部長にユノ先輩。


 レオン先輩にネオ先輩。


 エレノア先輩とアノールのたった8名しかいなかった。


 他は不合格で、控室にてこの様子を見ていると思うと、ますます気が気でない。


 不安な気持ちを抑え込んでいると、目の前にルイさんが現れた。


「ただいまより、ウィザード・セクト候補試験【第2試験】を行います。今回の試験は、個人戦となります。なお、【第2試験】【第3試験】の内容はトーナメント式で、明日の【第3試験】で勝利した生徒が、ウィザード・セクトの候補者として選ばれます。選ばれた1名は【最終試験】に臨んでもらいます」


 トーナメント方式か……。


 うん、1発で負けそう!


「こちらのトーナメント表をご確認して、試験に挑んでください」


 ルイさんの後ろにスクリーンが現れ、トーナメント表が映し出された。



───第1回戦【ルナ・マーティンVSアノール・マーティン】



───第2回戦【ネオ・フィーネVSルーカス・グレイナ】



───第3回戦【ユノ・カトレアVSエレノア・カトレア】



───第4回戦【セド・レナードVSレオン・ケイン】



 第1回戦は…。私とアノールかい!!


 初っ端から酷いな!! これ大丈夫なん? 私、勝ち目ある?


「第1回戦は、ルナ・マーティンさんとアノール・マーティン君となります。10分後に開始しますので、2人は準備してください」


 ルイさんはそう言うと、転移魔法で風の様に去ってしまった。


 一旦、私は控室に戻った。



───1年控室


「マーリーアーンーヌー!! 私、死ぬかもしれないよぉ!!」


 控室に戻った私は、タックルするみたいに抱き着いた。


 その光景を見ていたセドは、ため息をつき、レオナは私の背中を擦った。


「ルナちゃん自信もって! ルナちゃんなら、大丈夫!」


「そうよ~!。これまで、頑張ってきたじゃない! セドちゃんにも、1度勝っているしね!」


「まぁな。ルナ…。お前が勝たないと、第3試験で戦えなくなるだろう? 俺も勝つから、お前も勝て。先に待っていてくれ」


 セドは真剣な眼差しを、私に向けた。


 すると突然、アノールが控室に姿を現し、私の元に歩み寄り、左手を差し出してきた。


「ルナ。俺はお前を、実の妹として見ている。だが、今回は正真正銘の勝負だ。容赦しない」


「アノール……」


「先輩な?」


 そこは、相変わらずなんだ。


「分かったよ! 私も全身全霊で戦うよ!」


 アノールの左手を握ると、右手で眼鏡の位置を直した。


「2人とも、時間よ!」


 レオナが時計に指を指すと、私とアノールは顔を見合わせた。


「そうみたいだね」


「行こう、ルナ」


 私たちは、再び試験会場へと足を運んだ。





───ウィザード・セクトに入り、騎士ナイトの一員になるための戦いが、本格的に始まったのだった。

コメント(0)
この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?