───第3試験・討伐試験中
第3試験である【討伐試験】を受けている最中に、レオナ・アルフレートと組むこととなり、無事5つの魔法石を手に入れることとなった私とレオナ・アルフレート。
だったが、森を抜ける途中、レオナ・アルフレートの幼馴染である、セド・レナードに勝負を挑まれ、半強制的にセド・レナードと戦闘になったのであった。
*
「ルナちゃーん頑張って!」
レオナ・アルフレートは近くの木のそばで待機しながら、私を応援してくれた。
いや、助けてくれよ。
というのが、今のところ私の本音。
セド・レナードは砂で出来た杖を構えてるし、何なら攻撃してくるし…。
「
「防御魔法か。だが、例え防御魔法だろうが、攻撃を受けていれば壊れる」
確かに。
でも、怪我無いようにってルイさん言ってたしな……。下手に攻撃すれば、怪我させそうだし。
「ルナちゃん! セドちゃんに攻撃しても大丈夫わよ! 変に考えていてもダメよ!」
待機しているレオナ・アルフレートから助言を受けた私は、彼? の言葉通りに攻撃することにした。
「
杖を彼に向けると、セド・レナードの上空に大きな魔法陣が出現し、球形の透明な氷が降り注いだ。
セド・レナードは防御魔法で自分の身を守りつつ、砂魔法で攻撃。
「
セド・レナードが詠唱した瞬間、私の周りを砂で覆い拘束してきた。
身動きが出来ない。
「
「馬鹿ね。まだよッ!」
私は指をパチンと鳴らすと、
「詠唱無しだと!?」
魔法や魔術は、通常なら詠唱しなければならないが、時間短縮のために一か八かで、詠唱なしで魔法を放った。
そして、わざとセド・レナードに投げつけた杖に気を取られている隙に、走りだして彼に殴りかかった。
が、避けられてしまった。
「殴りに来るとはな」
「フェイクさ!」
そう、これは想定して居た通りのシナリオ。
杖を投げたのもね。
杖を投げた際、木に刺さるように投げ、そこから魔法陣を発動させ、
そして、
「これで、チェックメイトよ」
自分の杖を取り、膝をついたセド・レナードの首元に突き付けた。
すると、私たちの勝負を見守っていたレオナ・アルフレートが走ってきて、私に抱き着いてきた。
「おめでと~! 良くセドちゃん相手に勝ったわね!」
「運が良かっただけよ。拘束された時は、もう終わりかと諦めてた」
「セドちゃん。これで、よく分かった?」
レオナ・アルフレートはセド・レナードにそう言うと、『チッ』と舌打ちが聞こえた。
私はセド・レナードの肩に手を当て、治癒魔法をかけた。
その行動にセド・レナードは、目を丸くして驚いていてた。
「おい、貴様。何をしている」
「傷を治しているだけ。痛かったよね」
「……まぁな。でも、これで分かった。次こそ貴様に勝利する」
「ハイハイ。さてと、セド・レナードだっけ? 魔法石集めたの?」
私は問いかけると、セド・レナードは頷いた。
意外と素直?
「1人でだ。貴様らも、集めたんだろう?」
「うん。じゃあ一緒に出ようか!」
「しょうがないな。レオナ、手を貸せ」
「我が儘な幼馴染ちゃんなんだから~」
レオナ・アルフレートは呆れながらも、セド・レナードに手を差し伸べた。
「ルナ・マーティン。俺のことはセドと呼べ。それと、勝負を仕掛けてすまなかったな。第1試験の際、気になってしまったから」
あんな魔力量だとね。普通だとは思えないよ。
まぁ、誤魔化すけど。
「そ、そうなんだ。あっ、私のことはルナって呼んでいいから!」
「あぁ」
最初は1匹狼だと思ってたけど、素直になれない思春期の男の子なんだと今気づいた。
「もう! アタシのことも、名前で呼んでほしいわ!」
「わかった!じゃあ、セドに
こうして、編入試験で友人を2人もできてしまった。
そして、森の中を抜けると、1番最初だったらしく、ルイさんとイケオジな男性が立っていた。
「ご無事で何よりです。では、3人とも魔法石を見せてください」
「私とレオナは、組んで集めました」
「そうでしたか。では、改めて…合計5つ。3人合わせて、10。合格です! おめでとうございます!」
ご、合格!?
「やったぁー!!」
私は2人に抱き着くと、レオナは頭を撫でてくれた。
「では、合格した者から校長より、寮決めをさせていただきます」
ルイさんはそう言うと、イケオジな男性に目線を向けた。
イケオジな男性は、笑顔で私たちに話しかけてきた。
「おめでとう。今日から我が校の生徒の
「「「よろしくお願いします」」」
「それでは、校長室に向かおうか。最初の合格者には、こうして自ら生徒の前に、出向くのが基本なんだ」
ブライアン校長はそう言いながら、私たちの周りに魔法陣を出現させ、謎の光に包まれたかと思えば、先ほどいた森の外ではなく、どこかの部屋の中に移動していた。
「転移魔法。君らも使えるようになるさ。さて、寮を見極めていこうか」
第3試験を合格した私とセド・レナードにレオナ・アルフレートは、ブライアン校長に寮決めをしてもらうため、いくつかの質問を受けることとなった。
───ある意味、最終試練とも言える状況の中、私は望んでいるファリス寮に入れるのだろうか