───???の洞窟
使い魔を探すために、アランさんと初めて出会った洞窟を目指し、無事辿り着いた私とアランさん。
アランさんに1人で、洞窟の奥へ進むようにと言われ、妖精たちがいる場所へと歩き続けている。
なんだけど!
どうやら道を間違えたらしく、現在進行形で迷子中なのだ!
私の人生終了だァ! とそんなことを思っていると、氷の様に綺麗な妖精らしきものが、こちらに向かって飛んできた。
「だ、誰?」
私は妖精に話しかけると、妖精はこちらを見て、手招きをしてきた。
「ついてきてって…ことかしら?」
妖精の後ろを歩くことになった私は、不安を抱きながらついて行くと、洞窟の奥にたどり着いた。
ガラスの様に、透明で透き通った氷が壁になっていて、床には雪が少しだけ積もっていた。
「綺麗……」
そう呟くと、道案内をしてくれた妖精がこちらを向き、自信満々に話しかけてきた。
「当たり前よ! 私が作ったんだから!」
「貴女が!? 凄いわね!」
「褒められても嬉しくないんだからねっ! もう!」
妖精は顔を両手で隠しながら、身体を左右に振った。
ツンデレというものなのかもしれない。
「ねぇ、貴方の名前は?」
「あら、先に名乗らないのね人間って。まぁいいわ! 私はシュネーよ!」
「私はルナ! よろしくねシュネー!」
握手の代わりに、シュネーの小さい手に人差し指を乗せた。
すると、シュネーは驚いた表情を見せ、私の周りを飛び回った。
「アナタ……すごい魔力量ね! 普通の人間にしては珍しいわよ?」
「実はね……」
私はシュネーに転生者だということを告げると、納得した表情を見せた。
「転生者なら納得だわ。しかも、
「知っているの?」
「勿論よ! 私、あの子の使い魔だったから。あの子が依り代になる前に、あの子からこの洞窟の管理を任されたのよ」
そうだったんだ。
ん? だったら私が転生してきたときも、いたってことにならないの?
そう疑問に思い、シュネーに問い詰めると次の瞬間、影のように暗い笑みを浮かべた。
「フフッ」
「何が可笑しいの?」
「アランが、私のことを嫌っていたら? 私とアナタを合わせないようにしていたら?」
アランさんがわざわざそこまでしていたのであれば、じゃあ、何故。1人でこの洞窟に入れって言ったのか。
シュネーと出会うことまで目に見えているだろうし、シュネーと合わせたくなければ、アランさんも付いてくるだろうし……。
矛盾が発生するばかりだ。
「だったら、アランさんは私を1人なんかにさせないはずよ。
「あら、自信満々じゃない。アランを尊敬しているのかしら?」
シュネーは
「へぇ~、
「何?」
シュネーは、ニヤリと笑みを私に向け、こう言った。
───私と来ない?
続く