───次の日・早朝
私は、布団にくるまっていたアランさんを引きずり出し、早速アランさんと初めて出会い、私がこの世界に転生してきた、氷の結晶で出来た洞窟へ向かった。
眠たそうに、
「ん~。もう少し寝かせてくれたっていいじゃないか」
「ルイさんに言われてたの覚えてます? 早朝が良いって言ってたのを!」
「そうだったような~。そうじゃなかったような~」
首を傾げる怠け者に呆れ、ため息をついた。
「疲れるわ。この人……。眠たかったら
「酷いじゃないか~。行くけどさ」
「はいはい」
アランさんと話してると、まるで子供と会話しているように感じてくる。
精神年齢が低いのか?
「ところでルナ。あの
「そういえば……。そうですね」
───
もしかしたら、ほかの場所にクロノスの仲間がいたのなら、今後狙われる可能性が高くなる。
私の自由ライフが遠くなっていくぅ!
いーやぁぁぁ! と1人で心の奥底で悲鳴を上げていると、アランさんが私の顔を覗いてきた。
「なんですか?」
「冷たいね~。そんなところも愛らしいけど!」
「はぁ……」
「たとえ、魔物に狙われようが
あのアランさんが、真剣な眼差しで、私の不安を見抜いている。
ん?
だとしたら……。
「だったら、クロノスの時! 絶対、守れたでしょうが!」
「そうだけどね。でも、あーでもしないと、君は本気を出さなかっただろ?」
そうだけど!
というか、この人。絶対、クロノスの魔法かかってなかったでしょ!
「可愛い弟子の成長を、生で見れて誇らしいよ~」
アランさんはそう言いながら、ドヤ顔をかましてきた。
正直ウザいと思った。
そんなアランさんを放置し、ズンズンと森の奥を進んでいくと、懐かしい洞窟の入り口が見えた。
「見えてきましたよ!」
「そうだね。君を認める使い魔が見つかるといいね」
「はい! ところで、洞窟に入ったら妖精がいるんですか?」
「その奥さ。魔物もふつーにいるから、気をつけ給え」
いるんかい!
まぁ、洞窟=ダンジョンみたいなものか。
「使い魔を探すには、その主人となる者しか、奥に踏み入れてはいけないというのが掟だから、頑張りなさい」
初耳…なんですけど?
ということは、この洞窟に私1人で行けと!?
何の拷問だよッ! 早く言えよ!
「ルイさんが、アランさんが手助けしてくれるって!」
「
「え?」
「気にせず、行き給え!」
アランさんは何の説明もなく、私の背中を押した。
───私は渋々、洞窟の中へと足を踏み入れたのであった。