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2話 魔法と魔術。そしてスキル

 OLの私が、仕事帰りにトラックに撥ねられ、そのまま異世界転生を成し遂げてしまい、『破滅の魔術師』と呼ばれているアランさんと出会い、アランさん呪いを解くことになった。


 なのだが……。


「私、何をすればいいのさ!」


 今思ったけれど、何から手を出すべきなのだろう?


 そもそも、この世界の基準なんて言うものは知らないし! アランさんは、隣でゲラゲラ腹抱えて笑ってるし!


 腹立つな!! と言わんばかりに睨みつけてやった。


「アランさん。まず、この世界のこと教えてください。そこで、笑ってないで! 吹っ飛ばしますよ?」


「ごめんごめん。それで、この世界のことについてだよね? いいよ。教えてあげるよ!」


 アランさんはどこか楽しそうに、この世界について語り始めた。


 アランさん曰く、この世界は魔法や精霊や妖精たちが存在する世界らしい。


 よく、ライトノベルにある世界と言うべきか?


 じゃあ、この世界で死んでしまったら……。


「死んだら、消滅する感じですか?」


「勿論だとも!」


 いや笑顔で頷くって、この人怖いわ!


 背後からグサりとやって、転がっている死体を見下して、ニヤッて笑ってそうな性格してそう……。


 えっ、本当にこの人と契約してよかったん? 


「1度きりの人生。存分に味わって過ごし給え」


「うん。無理ですね。現段階では。全て終わらせてからにしますよ。それで、魔法があるなら、私でも簡単に魔法は使えるんですか? アランさんは『破滅の魔術師』って呼ばれているくらいですから、魔法使えるんですよね?」


 私は食い気味にアランさんに問い詰めると、首を傾げながら唸った。


「うーん。魔法も使えるけど、の方が得意かな~」


 魔術の方が得意? 魔法と魔術って同じなんじゃないの? と、私は魔法と魔術の違いが分からず、首を傾げた。


「どうしたんだい? 何か悩み事かい?」


「魔法と魔術の違いって何ですか? すみません……全くのド素人で」


 申し訳ないです。と、肩を落とした。


「気にすることなんてないさ。分からないことは何でも聞くといいよ。それで、魔法と魔術の違いだよね? 『魔法』は魔力によって普通では考えられない不思議なことを行う術で、占いも魔法の分類さ。『魔術』は普通の方法では不可解なことを特別の訓練やトリックによって行う術。

 そうだな〜。錬金術はわかるかい? 錬金術も『魔術』の分類さ。

 まぁ、簡単に説明すると、元から魔力を持っているものが『魔法』。人から教えてもらうのが『魔術』と言ったところかな? 君の場合……どちらもイケるね! 魔力も大量に出ているし、僕が『魔術』を教えるから、上手く行けば『魔術』と『魔法』のどちらもできる、魔術師をなれる! でも、君がどちらかだけを極めたいのであれば、どちらかだけを教えるよ」


 魔術と魔法にそんな違いがあるなんて、全く知らなかった……。


 というか!


「魔力出てるって、どういうことですか!?」


「あぁ、そうだったね。目を閉じながら深呼吸をしてみたまえ」


 アランさんが言う通りに、目を閉じ、深呼吸をする。


 すると、次の瞬間。水色と青色のオーラみたいなものが、だんだん見え始めてきた。


「あの〜。なんかオーラみたいなものが、見えてきたんですけど?」


「それが、君の保有する魔力さ。依り代はそんなに魔力がなかったんだけど、依り代と相性が良く、魔力が倍以上に増えたのかもしれないね。それに、スキルとも相性がいいと来たものだ」


「スキル? どんなスキルですか?」


 私はスキルについて問うと、アランさんは素直に私のスキルを教えてくれた。


無限魔力インフィニティ。その名の通り、『無限に魔力が体内に流れ込んでいること』だ。魔力がそこを尽きることはないさ」


 そんなスキルを持ってるんだ!


 それなら、いくらでも魔法打ち放題だったりするのかな?


「魔法打ち放題も可能ですか?」


「そういうこともできるよ! それに、治癒魔法さえ覚えれば、全体回復や状態異常の回復。状態異常無効化もできるようになるはずだよ!」


 アランさんから話を聞いていると魔法って面白いな! と感じ始めてきた。


 元々、ラノベが好きで読み漁っていたけど、実際に魔法が使えるとなると、物語の主人公の気持ちがわかる気がする。


「これからいろいろ教えてあげるね! 楽しみにしたまえ!」




───私。ルナは、アランさんから魔法と魔術の違いと、自分に刻まれているスキルについて教わり、氷の結晶で出来た洞窟内で、1泊することとなったのだった。

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