耳を塞ぎたくなるような、酷い声だった。
話の半分も聞き取れない。
言っている内容よりも、声の酷さの方が気にかかる。
もし、愛を告げられたとしても、
罵倒ばとうされたように感じるかもしれない。
ほとんど吐き気を催すほどの、呪われた声だった。
だから、同じアパートで集団自殺が起こっても不思議ではない。