記憶力が良すぎるのも善し悪しだ。
早く忘れたいことまで、ずっと鮮明に覚えている。
嫌な記憶を消し去りたくてもできないのだ。
時とともに怨恨は熟成し、鈍い痛みを伴ってくる。
あまりに辛いので、痛みを返すことを決意した。
まずは、幼稚園で僕をイジメた男を、地下鉄のプラットホームから突き落とす。