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第37話 深層の闇

 雪は、亮輔と桜が交際しているという言葉を聞いてから祝福したい気持ちと悔しい気持ちがあいまっていた。

 朝、ベッドから起きることは困難に等しい。熱があるふりして、休むことにした。



 このまま不登校になってもいいって思うくらい辛かった。

親友と思っていた亮輔と桜が一緒にいる姿が見ていられなかった。よそ見していたから。二兎追うものは一兎も得ずというのはこのことかと思ってしまう。清算していなかった自分が悪いんだ。瑞希も心から好きなわけじゃなかった。心を救ってくれるなら、誰でもいい。そう思っていたのかもしれない。

 スマホをみる気にもなれなくて、ずっと布団の中にもぐっていた。


 何もしない時間もなんだかんだであっという間にすぎていくものだ。人は、何もしていない時間も過ぎていく。何かを考えるのも疲れてきた。


 学校行く意味ってなんだtろう。生きている意味俺にはあるのかな。楽しく無くなってきた。生きる意味を知りたい。


 失恋のショックで、心がガラスのようになっていた。逃げ出したい気持ちでいっぱいだ。


桜と一緒に歩いた道が愛しいなんて思う日が来るなんて思いもしなかった。あの時間がまた欲しい。後悔の連続だ。かと言って、他の誰かで穴埋めようとする考えは浮かばなかった。亮輔は1番に雪のことを考える優しい男だ。今回、桜と付き合うという裏切りを本当にやるのだろうかと疑う。ただ、都合の良いように解釈したいだけ。



親友と元カノどっちが大事なんて結論出すのも面倒になる。雪の過ごしている空間だけ闇になってしまったようだ。誰か救えるものなら救ってほしい。雪は切実に願った。今はそんな人誰もいないのに。頬に涙を流しながら、眠りについた。


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