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絶望の箱庭~鳥籠の姫君~
神崎ライ
現代ファンタジー都市ファンタジー
2024年09月05日
公開日
68,442文字
連載中
「陰と陽が交わり、覚醒の時は訪れた。廻り始めた運命の歯車は止められない、たとえ創造主(ワイズマン)であろうとも……この世界に残された時間は少ない、誰も創造できない結末を君たちが導いてくれたまえ!」

世界の命運は少年と少女に託された。
彼らに待ち受けるのは希望か絶望か……

闇の魔力を発現した少年「天ヶ瀬 冬夜(あまがせ とうや)」
記憶を封じられ、謎の空間に幽閉されている少女「メイ」

きっかけは冬夜が六歳の時に起きた「事件」
二人が出会ったことにより、世界の運命は大きく動き始める……

何年もの月日が流れ、運命に導かれるかのように衝撃的な再会をはたした冬夜とメイ。
着々と舞台は整えられていく、何者かが用意していたかのように……


同じ時間軸に存在し、決して交わることがなかった二つの世界。
科学が発達した現実世界、魔法が発展した幻想世界。
そして……両世界の狭間に存在すると噂される『箱庭』

徐々に明らかになる箱庭の正体と隠された真実。
全てが明かされる時、世界は終焉を迎えるのか……それとも……

少年と少女は創造主(ワイズマン)が描いた未来を変えることができるのか?
世界の命運をかけた物語は動き始めた、誰も予測できない未来へ……

プロローグ


『いつからだろう、救いを求めていたのは……また一人いなくなっちゃった……次は……私なの? これが運命なの……? どうして……もう嫌だ……誰か、助けて』



 鏡合わせの並行した世界が存在する。

 科学を中心に技術が発展した現実世界、魔法を中心に技術が発展した幻想世界。

 同じ時間軸に存在する――決して交わることのなかった二つの世界。そして、両世界の狭間に創造主|ワイズマンにより作られた『終わりの世界』

 その世界のどこかに存在すると噂される――通称『箱庭』――


 はるか昔……『箱庭』には人々が望む理想郷が存在すると言われていた。噂を聞いた両世界の多くの人々が箱庭へ向けて旅立った。だが、ある人はもう一つの世界に迷い込み、ある人は世界の狭間を永遠にさまよい続け……誰一人としてたどり着くことも帰ることもできず、消息を断っていった……

 本当に存在するのか? たどり着いたとしてそこは世界の終わりであり、理想郷などあり得ないのでは? そんな噂が人々の心を蝕み、いつしかこう呼ばれるようになった。


 ――『絶望の箱庭』――


 ……やがて時が経ち、『箱庭』の噂は人々の記憶から薄れていった。人知れず水面下では、両世界のごく一部の研究者たちによる極秘計画が長い年月をかけひっそりと進行していた……

 時は過ぎ、現実世界と幻想世界の狭間、『終わりの世界』への入り口と噂された霧で閉ざされし森の中にひとつの学園が誕生した。


 ――『ワールドエンドミスティアカデミー』――


 両世界でだけが通うことを許された秘密の学園。一人の少年が春から学園に通うことになる。


 運命のいたずらなのか、現実世界ではあり得ない不思議な力を発現してしまった少年。

 記憶を失い、謎の空間に幽閉されている少女。

 


 一つの事件を機に回り始めた運命の歯車……

 彼らに待ち受けるのは希望か絶望か…… 


 少年は失われた少女の記憶を取り戻し、創造主ワイズマンが描く結末を変えることはできるのだろうか?

 二つの世界の命運をかけた物語が静かに動き始める。

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