「...濡れ衣とか...」
「...確かにエロいわね。うん。かなりエロい」
「アイン、あんた結構どすけべだったりする?」
「ち、違うもん!今のはたまたま思いついただけで...//」
何やら3人の声が聞こえる。
そのまま、のっそりと体を起こすとそこにはワイのワイフ達が楽しそうにおしゃべりをしていた。
「...ふぁ...。人の部屋で何してんだ?」
「あら、起きたの?芋虫くん」
「おいおい、芋虫は成長したら蝶になるんだぜ」
「いや、あなた成長しないじゃない」
「...朝から辛辣ですね。それで?何してたんだ」
「ナーベの故郷の遊びの『大喜利』っていうのやってたのよ。ちなみに今のお題は『エロそうでエロくない言葉』だったんだけど、そこでアインが『濡れ衣』というほぼ答えと言っていいものを出したところなの」と、リベルが懇切丁寧に説明をしてくれる。
「...濡れ衣。確かにエロいな。意味は全くエロくないのに。流石はむっつり担当アインちゃんだな」
「ち、違うから!//」
大喜利とか懐かしいな...。
なんか昔やってたなー...テレビとかで。
「んじゃ、俺も参加しようかな」
「そう。じゃあ次のお題は...そうね。『カマキリの悩みを教えてください』で行きましょう」
「...なかなか難しそうなお題ね」
「はい!」と、俺は元気よく手を上げる。
「芋虫くん、どうぞ」
「砥石の値上がりがきつい」
「ほう。なかなか面白いじゃない」
「...流石、ラン様」
「あんた、見かけによらずやるわね」
いやこれ感心するゲームじゃないんだけど。
笑ってほしいんだけど。
「じゃあ...私いいかしら?」と、ナーベが手を上げる。
「じゃあ、ナーベ。どうぞ」
「カマが無ければお前を守れない。カマがあるとお前を抱きしめられない」
こいつ、ブ◯ーチの名言パクりやがった...!!
「「おー!」」と、感心する二人。
いやだから、これそういうゲームじゃないって。
「じゃあ、次私ね」
「リベル、どうぞ」
「かまって!かまって!カマキリだけに!」
「「「...」」」
「...そうね、次のお題は「ちょっと!!//なになかったことにしてんのよ!//」
そうして、傷ついたリベルを優しく撫でるアインちゃん...。百合いいっすなぁ。
「じゃあ、次は...『家賃が100ガリル。その理由は?』」
なんか色々思いつきそうだな...。
「...はい」と、自信なさげに手を挙げるアインちゃん。
「アイン、どうぞ」
「仲介手数料が1000万ガリル」
「おー」「なるほど」「やるわね」
「えへへ...//」と、褒められて嬉しそうにしている。
「じゃあ、次俺!」
「はい、ラン。どうぞ」
「大家が指名手配犯」
「「「おー」」」
うん。多分これもう別競技だよね。全然笑いが起きないんだけど。
「は、はいはい!」と、リベルが勢いよくてを上げる。
既にだいぶ怪しんでいるナーベ。
「...どうぞ、リベル」
「おばけがすんでいる!」
「「「...」」」
「あら、季節外れの寒波でもきたのかしら?」
「もういい!私このゲームやらない!」と、拗ねてしまうリベル。
そうして、ゲームを終えた俺は最近あまり話せていなかったのでメイドさん達にいろいろと話を聞こうと、廊下に出る。
すると、マッドさんとその仲間達が歩いているのが見える。
「お、久しぶりー」
「ん?おぉ、ラン様...ご無沙汰しております」
「ごめんね、最近顔出せなくて。アインちゃんの魔法の方はどう?」
「うむ。素質は間違いなくあるし、飲み込みも早い...。数ヶ月もすればわしより優秀な魔法使いになれるじゃろうな」
「おっ、それは期待大だな」
「それより大丈夫なのですかな?ボヘミア国を乗っ取ったと聞いておりますが...」
「乗っ取ったという言い方が合ってるかわからんけど、まーそうだね。禄でもない貴族は全員やっちゃったね」
「...そうか」
「そろそろ国に帰りたいでしょ?近いうち、おらもボヘミア国に行くからその時一緒に帰国しよう」
「...そうですな。そうできたら嬉しいですな」
「向こうに置いてきた悪魔曰く、城下の人間の生活はかなり良くなったみたいだぞ。貴族が溜め込んでいた分の資産を平等に分配したおかげでな」
「...そうか。それは嬉しいことじゃな」
「おう。マッドさんにはいろいろお世話になったし、ボヘミア国の実態についても良かったら連絡くれると助かる。俺もできるだけ顔は出そう思ってるからその時でもいいけど」
「...うむ。その時はぜひ頼みます」
「うい」
さて、俺もそろそろちゃんと動かないとな。地方貴族兼、小国の王としての立ち振る舞い...か。
それと逃げた三将官の行方も調べないとだし。これから忙しくなるなー。