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第20話 一時帰国

「ぼすぅ~、次の戦争はいつですかぁ?あんな雑魚じゃあ私、滾らないんですけど~?」


「...3人も人を食っておいてよく言うぜ。最初に言ったよな?食うのはなしだって」


「だって、お腹減っちったんだもん。しゃーないじゃん。それにここ最近ずっと羊の姿にされてるし~、多少のお痛は許してちょ?」と、かわいくウインクしてくるハルパス(38位)。


「ボス。頭は家に帰宅すると奥様方に刺されて死ぬでしょう。今すぐにボヘミア国に戻ることをお勧めします」


「...フラウロス、お前また...嘘か」


「嘘?さて何のことやら」


 フラウロス(64位)は豹の悪魔であり、基本的に嘘つきなのでまともに取り合うだけ時間の無駄なのである。


「おいおい、フラウロス!また嘘か?よくないねえ...?私はボスにあつぅ~い信頼を置いてるからボスに嘘をついたりなんかしないぜぇ?あっ、ところでボス。これどうぞ」と、高そうな指は5つほど渡される。


「...シャクス...いつの間に盗んできたんだ?」


「私にかかればこの程度、造作もないんだぜ?」


「...」


 シャクス(44位)はコウノトリの見た目をした悪魔であり、人の視覚/聴覚/理解力を奪うことができ、人のものを盗んでは俺に渡してくるのであった。


「流石は低級悪魔だな」


「なんだと!それは私に言っているのか!エリゴル!」


「...貴様以外に誰がいる。それで?ボス。今後の軍事についてどのようにお考えで?」


 エリゴル(15位)は騎士の姿をした悪魔である。軍事力に長けており今までも戦略などの助言をもらっていた。


「しばらくは城でゴロゴロしてるよ。どうせ、動くとしたら向こうから勝手に来ると思うし。その間に三将官について調べるかな」


「なるほど。良いお考えかと」


「人間どもなど全員殺してしまえばいいのだ!」


「ベレト...お前は働きすぎだ」


 ベレト(13位)は猫の見た目をした悪魔であり、様々な楽器を使い攻撃を行う。しかしながら少々やりすぎる面があり、注意を働かなければならない悪魔である。


「何を仰いますか!私はボスのためなら何でもしますよ!」


「...そりゃどうも」


 森の中を通るが当然低級/中級モンスターが襲ってくることはない。

それは悪魔の中でも最上位に属している悪魔が数体いるおかげである。

悪魔が魔除けになるなんて、なんともおかしな話ではあるがな。



 そうして、城に到着すると門の前には3人の奥さんとセバちゃんが立っていた。

後ろにいた悪魔全員がセバちゃんを見た瞬間に緊張が走ったのが分かった。


 すると、先頭を切って走ってきたのはアインだった。

少しコケそうになりながらも、俺の前に来て...「待ってました...!おかえりなさい...」と、そう言われて俺の心は思わず...ドキッとしてしまった。



『お前の居場所なんてここにはない。お前なんか...』


 いつの間にか俺には居場所ができていたのか。

本当は...少しだけ怖かった。本当は俺のことを...アインもリベルもナーベも...あの時の彼らのように思っているのかもなんて...そんなことを思っていた自分が恥ずかしい...。


「...うん...ただいま」と、アインの頭を撫でる。


 すると、そんな様子を見ていたハルパスが割って入ってきて「めっちゃパ〇パン顔じゃん!」とすべてをぶち壊すようなことをいうのだった。


「...パ〇...パン?」と、首をかしげるアイン。


「アインは知らなくていいから!お願い!何も知らないままで居て!」


「いやいや、絶対そうじゃん!間違いない!」などと言っていると、いつの間にかセバちゃんが横に立っていて...。


「...ハルパス。君はお仕置きが必要なようだね」


「...へ?ソロモン...様...?」


 そうして、後ろにいた悪魔は全員羊の姿にされるのであった。


「...思っていたより随分と早い帰還ね。まさか逃げ帰ったわけじゃないでしょうね?」と、少し遅れてリベルとナーベもやってくる。


「想定外はあったけど問題はないよ。ってか、せっかくのご主人様の帰宅なんだから大好きのチューくらいしてくれよ(*´з`)」


「キモっ!//するわけないでしょ!」


 そういったリベルを横目にそのまま距離を詰めてくるナーベ。


 そして、そのまま俺の顎を食いっと上げるとそのままキスをするのだった。


「!!??//」


「...あらあら、キスをしてほしいと言っていた割にされたら顔を真っ赤にしちゃうなんて...相変わらずツンデレなご主人様ね」


「ちょっ!!//な、なにしてるんですか!//」と、アインが真似するようにキスをする。


「う、上書きです...!!//」


「あら、上書きされちゃったわ」と、相変わらず余裕の笑みを浮かべるナーベ。


 そんな二人を見て、モジモジしているリベル。


「リベルちゃんもキスしよ~」と、口をタコにして追いかける。


「い、いやよ!//」


 そうして無理やりキスをして思いっきりお腹を殴られるのであった。





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